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ドニー・ニエテス(フィリピン)VSファン・カルロス・レべコ(アルゼンチン)
IBF世界フライ級タイトルマッチ(2018年2月24日)
(出典:WOWOW)
ニエテスは、昨年4月に獲得した3階級目のIBFタイトルの初防衛戦です。
45戦40勝22KO1敗4分け、35歳。
2007年にWBOミニマムの王者になって、階級を上げながら、なんと10年も世界のトップ戦線で戦ってきたことになります。
35歳は、軽量級としてはかなり厳しい年齢ですが、そのボクシングは年齢を感じさせません。
レべコは42戦39勝19KO3敗、34歳。
レべコも2007年6月にWBAのライトフライ級タイトルを獲得し、2015年4月、井岡一翔選手に判定負けで2階級目のWBAフライ級王座を明け渡すまで、10年近く世界のトップに君臨してきました。
そして、12月の再戦で井岡選手にプロ初のTKOを喫し、王座返り咲きに失敗しています。
しかし、昨年9月に挑戦者決定戦で大差判定勝ちをおさめ、3年ぶりの王座返り咲きのチャンスを獲得しました。
序盤はお互いペースを譲らず
パワーではニエテスですが、スピードはレべコの方がありますね。
ニエテスは左ジャブを突きながら、レべコの力量を図っています。
両者、慎重な立ち上がりで、かなり高度な技術戦の様相を呈してきました。
このスキル合戦に業を煮やした観客から、早くもブーイングが聞こえ出します。
4ラウンドにニエテスがギアチェンジ
レべコの力量を見切った感じのニエテスが、4ラウンドからかなり力のこもったパンチを放ってきます。
解説の飯田さんによると、「スピードで対抗は不利と思ったニエテスが、パワー勝負に切り替えた」ということです。
レべコもこのパワーに負けまいと、少し力み気味にパンチを放って応戦します。
しかし、ニエテスの構えは自然体で、レべコの反撃を柔らかく捌き、パンチをボディに集めます。
5ラウンドに終盤には、ニエテスの綺麗なワンツーがヒットしました。
ニエテスがペースを握る
6ラウンドには、完全にペースを握ったニエテスに余裕が出てきました。
レべコのパンチを見切ったニエテスが、左フックの相討ちでも完全に打ち勝っていました。
そして、ラウンド終了間際に強引に攻めたレべコに、ニエテスの右ストレートのカウンターがヒットしました。
(レべコの強引な右に対して、ニエテスの右ストレートのカウンターがきれいにヒット)
このパンチでレべコの足がばたつき、ゴングが鳴ってコーナーに戻る足取りはかなり怪しく、セコンドに抱きかかえられるようにして、ようやくコーナーに戻りました。
レべコのダメージはそうとう深刻です。ひょっとしたら、このままギブアップも考えられる状況ですね。
なんとか7ラウンドのゴングに応えてコーナーから出てきたレべコですが、すぐにニエテスの右ストレートをあびて、ロープに詰まります。
(ニエテスの右ストレートがヒット)
そして、細かいボディの連打の後、ニエテスの左フックがレべコの顎をとらえ、ついにレべコがダウンしました。
(ニエテスの左フックがレべコの顎を打ち抜く)
何とか立ってきたレべコですが、コーナーからのギブアップ要請に、レフリーが試合をストップしました。6ラウンド終了でギブアップした方がよかったと思いますね。
レべコは、これで完全に世界戦線から脱落しました。引退かもしれませんね。
ニエテスの次戦は
アメリカで、指名挑戦者をTKOで倒して初防衛に成功したニエテスは、フライ級最強を世界にアピールした感じですね。
私は比嘉大吾の方が強いと思っていますが、やはり実績が違います。
まだ、一度も見たことがありませんが、WBA王者のアムテル・ダラキアン(ウクライナ)もなかなかやりにくそうな選手みたいですよ。
ニエテスはこの日のメインのシーサケットVSエストラーダの勝者か、ローマン・ゴンザレスとの対戦を望んでいるようです。
となると、S・フライ級へ階級を上げるかもしれませんね。