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ルーカス・マティセ(アルゼンチン)VSエマヌエル・テイラー(アメリカ)
ウェルター級10回戦(2017年5月7日)
(出典:WOWOW)
WBCのインターナショナルとかWBOのコンチネンタルとかの王座決定戦ということでしたが、ここではウェルター級の10回戦ということで話を進めたいと思います。
ひょっとしたら、勝者はWBCやWBOのランキングに返り咲くかもしれません。
マティセはこれが1年7か月ぶりの試合です。ビクトル・ポストルに生涯初めてのKO負けを喫し、これが久しぶりの再起戦となります。
42戦37勝34KO4敗1無効試合、34歳。
エマヌエル・テイラーは24戦20勝14KO4敗、27歳。
3年前にエイドリアン・ブローナーと対戦し、ダウンを奪われたものの判定まで粘り、善戦しています。
マティセが右ストレートでダウンを奪う
3ラウンドにタイミングよく放ったマティセの右ストレートがヒットし、テイラーがダウンしました。
すぐに立ちあがってきましたが、意外とダメージがありそうです。
(軽く打った感じの右ストレートでしたが、強打は健在でした)
4ラウンドもマティセがプレッシャーを強め、終盤に左アッパーを放ち、ロープに詰めて連打を浴びせます。
5ラウンドにマティセのボディでテイラーがロープに詰まり、左右の連打でテイラーが崩れるようにダウンしました。
(マティセがロープに詰めて連打を叩き込む)
(このボディブローが効いたようですね)
(これは立てないかな)
かなりダメージがある感じでしたが、テイラーは何とか立ってきました。
カウント9でレフリーがテイラーの状態を見て、ストップしました。
結局、パンチ力の差が勝負を決めた一戦でした。
マティセの復活は楽しみですね。
デビッド・レミュー(カナダ)VSマルコ・レイエス(メキシコ)
ミドル級10回戦
(出典:WOWOW)
実際には163ポンド契約で、ミドル級のリミットを3ポンドオーバーしています。
レミューは42戦27勝33KO3敗、28歳。
マルコ・レイエスは39戦35勝26KO4敗、29歳。
175㎝のレミューに対して、レイエスは185㎝と、一回り大きく見えます。
レミューは少しふっくらとした感じで、お腹周りは明らかに前回の試合より太いですね。
初回からエンジン全開のレミュー
レミューは初回からプレッシャーをかけ、ガンガン打って出ます。
2回にはレミューの左フックで、レイエスは早くも目の上をカットしました。
(レミュー得意の左フックでレイエスがカット)
パンチのスピードも手数もレミューが圧倒。
3ラウンドの右アッパーでダウン寸前まで追い込みます。
つまらん駆け引きをせず、ガンガン打って出る、レミューのボクシングは見ていてホントに気持ちがいいですね。
(絶妙の右アッパーカット)
レミューのボディブローも効いているようで、もうKOも時間の問題という感じでした。
4ラウンドには、右ストレートでレイエスもマウスピースが吹っ飛びました。
(ダウンしてもおかしくない右ストレートでした。レイエスのマウスピースが吹っ飛びます)
ここまでは一方的な展開でしたが、序盤からの飛ばしすぎで、4ラウンド終盤からレミューがやや失速します。
レイエスが体格差をいかして反撃
5ラウンドのレイエスのボディブローでレミューのプレッシャーが弱まり、手数も減ってきました。
レイエスは体格差を生かして、自分の距離を保ち、レミューを懐に入れません。
それでも、単発ながらレミューが放つクリーンヒットで、レイエスが何度もぐらつきます。
しかし、すぐにレイエスは反撃してきます。
解説の西岡利晃さんが「もう回復しましたね」と驚きの声を上げるほど、レイエスは驚異的な回復力を見せます。
結局、体格で上回るレイエスが最後まで粘り、レミューはあと一歩詰め切れず、判定決着となりました。
3-0(99-90、99-90、98-91)で文句なくレミューの判定勝ちでした。
175㎝のレミューには163ポンドはやはり重すぎましたね。
ミドル級のリミットでやれば、前半で倒していたと思います。
勝ったレミューは、WBC4位、WBA5位、IBF7位、WBO4位。ゴロフキンにTKO負けしましたが、完全に復活してきましたね。