見どころは1ラウンドだけ。ディフェンス合戦に終始したビッグマッチ キース・サーマンVSダニー・ガルシア

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目次

キース・サーマン(アメリカ)VSダニー・ガルシア(アメリカ)

WBA・WBC世界ウェルター級王座統一戦(2017年3月4日)

 

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(出典:WOWOW)

キース・サーマンはWBA王者。28戦27勝22KO1ND、28歳。

ダニー・ガルシアはWBC王者。33戦全勝19KO、28歳。

ガルシアはルーカス・マティセ以来3年間、「勝てる相手」だけを選んで安全な試合ばっかりでしたので、久しぶりに危険な相手との対戦となります。

しかも、アミール・カーン戦で見せた左フックも湿りがちで、完全にチキンな技巧派のイメージが定着しました。

サーマンもショーン・ポーターに大苦戦し、私としては若干がっかりし、評価を少し下げています。

つまり、王座統一戦ではありますが、それほどのビッグマッチではない、と思っています。そして、どちらが勝っても判定かな、と。

 

序盤はサーマンがペースを握る

早い話、この1ラウンドがこの試合のすべてだったような気がします。

ガルシアが左フックのカウンター狙いに固執するのに対し、スピードに勝るサーマンは速いステップインで先に仕掛けペースをつかみます。

そして、思い切って飛び込みオーバーハンドの右をヒットし、ガルシアをぐらつかせました。

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(この一発で序盤のペースを握りました)

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(この試合で唯一ダメージのあったパンチです)

序盤の3ラウンドを支配したサーマンが、結局勝利をものにしました。

 

中盤からガルシアが盛り返す

ペースを握ったサーマンも中盤は手数が極端に減り、ガルシアもようやくサーマンのスピードに慣れてきた感じです。

ディフェンスのいいサーマンの顔面に、パンチを当てるのは容易ではないと判断したのか、ガルシアは中盤からボディブローへパンチを切り替えます。

しかし、お互いクリーンヒットが極端に少なく、手数も少ないお見合いの場面が多く、会場からはブーイングが聞こえます。

ガルシアは決して危険を冒すような攻撃はしません。チキンハートですね。

その点では勇敢に飛び込み、危険な距離でパンチを打ちこむサーマンに軍配が上がります。

 

終盤はサーマンが逃げ切り

それほど明確にポイントをリードしてるとは思えないサーマンは、終盤、フットワークを使い、時折ワンツーをヒットするだけで、明らかに逃切りを測っているように見えました。

しかし、ガルシアも追う足がなく、ヒットするパンチもガードの上からで、相変わらず危険な打ち合いはしません。

最後まで「湿った」左フックのカウンターで一発逆転を狙うだけで、前に出ていてもサーマンに先にパンチをヒットされる始末。

せっかく中盤に効果があったボディブローも影を潜め、最後まで単調な攻撃に終始しました。

 

判定は2-1(116-112、115-113、113-115)でサーマンが辛勝。最後の2ラウンドに、サーマンがもう少し積極的なボクシングを展開していれば、もっと明確な勝利をものにしていたと思います。

いずれにしても、結局ディフェンス合戦に終始したビッグマッチは、スキルは高いかもしれませんが、「凡戦」でした。

ガルシアは今更言うまでもありませんが、サーマンにもがっかりしましたね。

リマッチは絶対に必要ありません。

 

私にとっては、まもなく正式に対戦が決まる予定の、ケル・ブルック(イギリス)VSエロール・スペンス(アメリカ)のIBF世界ウェルター級タイトルマッチの方が、はるかに魅力的です。

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