パトリック・テイシェイラ(ブラジル)VSカーティス・スティーブンス(アメリカ)
ミドル級10回戦(2016年5月8日)
(出典:WOWOW)
テイシェイラは長身(184㎝)のブラジリアンホープです。
26戦全勝22KOの完璧なレコードを持ち、IBFSウェルター級4位にランクするサウスポー。
浜田さんがいつものように「お手並み拝見」とコメントしました。
一方のスティーブンスは過去にゲンナディ・ゴロフキンに挑戦したことのある(2013年11月、8R終了TKO負け)31歳のベテランです。
32戦27勝20KO5敗の戦績通り、どう見てもこれはテイシェイラのかませ犬と思ってしまいます。
この試合はアルバレスVSカーンのアンダーカードとして行われました。テイシェイラはこの雰囲気にのまれたのでしょうか。
スタートはテイシェイラの長い右ジャブから始まりました。ホープらしいスタイリッシュなボクシングです。
ベテランのスティーブンスは、左右のフックを思い切って振ってきます。
少し線の細い感じがするテイシェイラとワイルドなスティーブンス。ホープとベテランのまさに対照的なスタイルに見えました。
しかし、試合開始1分過ぎぐらいにスティーブンスの左ジャブがカウンターでヒットし、テイシェイラは大きく後ろに後退しました。この一発でテイシェイラのボクシングは崩壊しました。
(このジャブのカウンターで完全に試合を支配したスティーブンス)
その後もスティーブンスのパンチをもらうシーンが目立ち、ティシェイラのガードの甘さが露呈します。また、テイシェイラの左ストレートの打ち方が少し変則で、これも気になりましたね。
2ラウンド、必死で立ちなおしをはかるテイシェイラの左アッパーに合わせて、スティーブンスの右フックのカウンターがヒット。
狙いすましたような見事なジャストミートでした。
(テイシェイラの左アッパーも当たっているのですが)
(狙いすましたように腰の入った右フックがジャストミート)
なんとか立ってきたテイシェイラですが、レフリーがストップしました。
飯田覚士さんが「経験の差が出ましたね」と言うように、テイシェイラは自分のボクシングを披露する前にマットに沈んでしまいました。
恐らくテイシェイラは、手ごたえのある相手と初めて対戦したのでしょう。このKO負けから立ち直るのは難しかもしれませんね。
2014年10月にハッサン・ヌダン・ヌジカム(フランス)に判定負けして以来、1年半ぶりの再起戦を制したスティーブンスは、また世界戦線に復帰してきそうです。