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エイドリアン・ブローナー(アメリカ)VSアシュリー・セオフェイン(イギリス)
WBA世界Sライト級タイトルマッチ(2016年4月1日)
(出典:WOWOW)
まったくあきれてものが言えませんね。ブローナーはタイトルマッチというものを完全に無視しているとしか思えません。
ジョー小泉さんが「ブローナーはタイトルがなくても通用するほどの選手でもありませんよ」と言うように、名前だけで観客を呼べる真のスーパースターとはまるで比較にならないお粗末な選手です。しかも最近、その商品価値がさらに落ちてきていると思います。
ブローナーは34戦31勝23KO2敗1NC。「まだ26歳なんですね、驚きました」(西岡さん)。170㎝の体はパンパンで挑戦者のセオフェインより2階級ぐらい大きく見えます。
セオフェインはWBA9位。46戦39勝11KO6敗1分、35歳のベテランです。顔がなんとなくミゲール・コットに似ているような気がします。セオフェイン頑張れ!と言いたいところですが、荷が重そうですね。
あっさりペースを握るブローナー
わずか180gを落とせず、計量オーバーでタイトルをはく奪されたブローナーですが、試合のペースは初回からしっかり握ります。明らかにパワーが違います。体重はコントロールできなくても試合はコントロールできるところが憎たらしいですね。
2回には早くもブローナーのボディブローでセオフェインの腰が折れます。
(動きは鈍いがボディブローは強烈)
ブローナーはジャブも打たず、プレッシャーをかけて接近し、単発を放つだけの省エネボクシングで、チャンスと見たら畳みかけかけます。
意外としぶといセオフェインだけど
押され気味のセオフェインですが、時折、強引にラッシュをかけるブローナーの打ち終わりを狙い、しぶとく反撃します。
ブローナーのパンチも雑で精度が悪く「横着なボクシング」(ジョー小泉さん)を展開しますが、ボディブローはさすがですね。
7ラウンドはブローナーが珍しくジャブを使ってきれいなボクシングを見せましたが、逆にセオフェインの反撃に合います。
疲れを見せたブローナーが会心のアッパーを放つ
8ラウンドは明らかに疲れを見せ動きの悪くなったブローナーですが、前に出て頑張るセオフェインのパンチもブローナーのでフェンスに阻まれほとんどヒットしません。
そして9ラウンドにブローナーの右アッパーがセオフェインの顎をとらえました。何とかダウンを免れたセオフェインですがダメージが深く、ブローナーの追撃でヨロヨロと下がるのを見たレフリーがストップしました。
(このアッパーは強烈)
(レフリーのストップに異議を唱えるセオフェイン)
前科3犯。ブローナーはまたウェルター級に上げるのでしょうか?
ジョー小泉さんはうまいこと言いますね。まさに「横着なボクシング」。
ウエイトコントロールもボクシングも横着なブローナーに、激戦区のウェルター級は少し荷が重いでしょうね。
逆にSライト級はテレンス・クロフォードに続くスターがいません。
小原佳太や岡田博喜にとっては今がチャンスではないでしょうか。