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まだ引退していない!辰吉丈一郎
日本では37歳になると、現役を引退しなければなりません。
ただし、その時点でJBC公認のチャンピオンであれば、その期間は現役を続行できるはずです。世界ランカーや東洋太平洋ランカーも続行できたかな?
いずれにしてもこれは特例ですね。基本は37歳で自動的にライセンスが停止になります。
そういえば、40歳に延長するという話も聞きますね。
とにかく、辰吉さんはまだ引退していません?
気になる2試合
以前に辰吉さんについては、ブログを2本書いています。
そこでは触れていませんが、とても記憶に残っている試合があります。
一つは、シリモンコン・ナコントンパークビューに勝って、3度目のWBC世界バンタム級タイトルを手に入れた後の2度目の防衛戦です。
相手は世界1位のポーリー・アヤラ。このとき25戦全勝でした。
そして負傷判定ながら初黒星をつけたのが、辰吉さんです。(1998年8月)
25戦全勝11KOのアヤラ
底力をみせた試合
1ラウンドはアヤラのパンチを不用意にもらい、不安なスタートを切りました。
しかし2ラウンドに入ると若干ペースを握った感じで、相手との間合いを見切ったような感しがしました。いいジャブを打っていましたね。
アヤラは顔が小さく、なかなか的を絞らせてくれません
2ラウンドの2分30秒過ぎには、全盛期の辰吉さんらしい、小気味よい攻めが見られました。
ただ、ガードは依然下げたままです。いくら距離を見切っていても、世界のトップクラスが相手では絶対にパンチをもらってしまいます。
それほどスピードのないアヤラのパンチは、そのほとんどが空を切っていましたが、時折クリーンヒットします。ホント、ヒヤッとしますね。
4ラウンドには辰吉さんが得意の左ボディを放ちますが、アヤラは顔が小さく、スピードはないものの、顔面にはまともにパンチを喰いません。
偶然のバッティングで辰吉さんが目を切った6ラウンドは、アヤラが攻勢に出てきたラウンドだけに、当時の正直な感想は「ストップになって良かった」。12ラウンドやってたら負けてかもしれませんね。
6ラウンド、目の傷でストップされそうになり続行をアピールする辰吉さん
私の採点ではWBCルールの減点1ポイント分、辰吉さんの勝ちかな。
アヤラは後のWBA世界バンタム級王者
アヤラはその後すぐジョニー・タピアに勝ってWBA世界バンタム級タイトルを手にし、3度防衛しています。
生涯に3敗してますが、その1敗が辰吉さんに喫したもの。あとの2敗はなんと、エリック・モラレスとマルコ・アントニオ・バレラです。
すごい顔ぶれですね。
再起戦でKO勝ち
辰吉さんはこの後、ウィラポン・ナコンルアンプロモーションに連敗しました。
そして再起戦で元WBA世界フライ級チャンピオン、日本でもおなじみのセーン・ソー・プルンチット(タイ)と対戦し、なんと6回KO勝ちしています。
辰吉さんらしさが満載の試合でした。
「まだやれれるやん」て思わせるほど、足の運びもパンチのキレも全盛期並みの試合でしたね。
しかし、これが辰吉さんのボクシングとしては最後の試合だったと思います。