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フランク・サンチェス(キューバ)VSジョーイ・ダウェイコ(アメリカ)
WBC米大陸ヘビー級王座決定戦(2020年3月7日)
サンチェスは、15戦14勝11KO1NC、27歳。WBC11位。193cm。
キューバ期待のヘビー級ホープです。ビクトル・ビスバル戦→https://www.boxing-blog.com/entry/20191023
ダウェイコは、31戦20勝11KO7敗4分け、29歳。178cm。
元WBC中米カリブヘビー級王者です。最近5戦は2勝3敗とやや低迷しています。
試合経過)
ジョシュアVSルイス?
ダウェイコのぽっちゃりした体型は、アンソニー・ジョシュアを倒したアンディ・ルイスを彷彿とさせますが、まさか番狂わせはないでしょうね。
サンチェスは相変わらずスピードがあって、まるで中量級の選手のようです。それにしても、この二人の構図は、ジョシュアVSルイスによく似ていますね。ダウェイコもなかなかボディワークが巧みで、脂肪に包まれた体は、打たれ強そうです。
的確にパンチをヒットさせているのはサンチェスですが、ダウェイコは柔らかいボディワークで、芯を外しています。そして、じょわじわと圧力をかけてきます。
攻めあぐねるサンチェス
サンチェスのパンチがヒットしても、ダウェイコはお構いなしに前に出て、パンチを振り回してきます。中盤から、サンチェスは打ち合いを避け、距離をとって戦います。ダウェイコは7敗していますが、KO負けは1度しかありません。その1敗もコーナーが試合をストップさせたものです。
倒すのをあきらめた?
試合後半から、サンチェスは左ジャブで距離をとり、完全に安全運転に切り替えます。脂肪の鎧をまとったダウェイコを倒すのは、難しいと思ったのでしょうね。実際、ダウェイコには、ほとんどダメージが感じられません。
終盤になって、ようやくサンチェスも少し強いパンチを放ち、倒す姿勢を見せましたが、打ち合いになるとダウェイコも負けじと応戦していきます。そうなると、サンチェスは無理をしません。最終ラウンドは完全に距離をとって逃切り態勢にはいり、試合終了。
判定は、3-0(98-92、100-90、100-90)の大差でサンチェスが、王座を獲得しました。
「わしボク」の節穴の「目」
がっかりのサンチェス
サンチェスの完勝でしたが、途中で倒すのをあきらめたのには、がっかりしました。ヘビー級の醍醐味は、やっぱりKOでしょう。最後までKOを狙ってほしかったですね。「わしボク」はダウェイコの方が魅力的に見えました。
スピードはこの階級ではトップクラスですが、今日の試合でパワー不足を露呈しましたね。ヘビー級のトップ戦線には、2メートル前後の巨漢がごろごろいます。
オレクサンダー・ウシクは190cm
サンチェスにダウェイコのような柔らかさなボディワークがあれば、もっと積極的なボクシングが出来そうな気がするんですけどね。
クルーザー級からヘビー級に階級を上げた ウシクは、サイズ的にはサンチェスよりもさらに小柄ですが、ヘビー級のデビュー戦では、それほどパワー不足を感じさせませんでした 。攻撃の幅の差でしょうか。