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ケイレブ・プラント(アメリカ)VSビンセント・フェイゲンブッツ(ドイツ)
IBF世界S・ミドル級タイトルマッチ(2020年2月15日)
プラントは、19戦全勝11KO、27歳。185cm。
2019年1月に番狂わせの判定勝利で、ホセ・ウスカテギからタイトルを獲得し、今回が2度目の防衛戦です。ウスカテギ戦→https://www.boxing-blog.com/entry/20190220
フェイゲンブッツは、33戦31勝28KO2敗、24歳。WBA・IBF3位。179cm。
KO率85%のハードパンチャーです。まだ24歳のドイツ期待の新星ですね。マウシリオ・レイノソ戦→https://www.boxing-blog.com/entry/2015-10-09-135953
試合経過)
1R)プラントの長い左ジャブ
半身に構えたプラントが、長いジャブを突いて距離をとります。がっちりした体つきのフェイゲンブッツは、じわじわと前に出ますが、プラントのジャブが邪魔で、中に入れません。
2R)プラントが連打を畳みかける
プラントが軽いワンツーを放ちます。左ジャブが速いですね。フェイゲンブッツは手が出ません。
中盤、プラントが連打を畳みかけます。左を中心としたコンビネーションは見事ですね。少し飲んでかかっているようです。フェイゲンブッツは何もできません。
3R)プラントの一方的な展開に
いきなりプラントが、上下にパンチを打ち込みます。フェイゲンブッツのガードの隙間に的確に@アンチをヒットしています。相手をよく見ていますね。
フェイゲンブッツは前に出ますが、先に手を出すのはプラントです。手数で圧倒しています。プラントがやりたい放題にパンチを放ち、フェイゲンブッツはガードを固めて、だるまさん状態です。
2分過ぎ、プランの左ストレートで、フェイゲンブッツが大きく体勢を崩します。畳みかけるプラントの、左ボディショットがいいですね。
4R)フェイゲンブッツがプレッシャーを強めるが
フェイゲンブッツが、少しプレッシャーを強めて前に出ます。プラントは軽く受け流し、多彩な左ジャブで応戦します。フェイゲンブッツも大振りなパンチを振り回しますが、いずれも空を切るばかりです。
5R)プラント、小休止
前に出るのはフェイゲンブッツですが、先に手を出すのはプラント。手数が全く違います。プラントは、フェイゲンブッツの攻撃を完全に見切った感じですね。距離が詰まっても余裕を持って、フェイゲンブッツのパンチをボディワークでかわします。プラント、この回は小休止ですね。
6R)プラントはフェイゲンブッツに攻めさせ、スタミナを温存
何とかしたいフェイゲンブッツが、プレッシャーを強めて前に出ます。しかし、プラントはほとんどのパンチをボディワークでかわします。完全にフェイゲンブッツのパンチを見切っていますね。
この回も、プラントは軽く流しながら休んでいる感じです。ラウンド終盤、フェイゲンブッツの左ジャブがようやくヒットしましたが、試合の流れを変えることはできません。
7R)プラントは下がりながらカウンターを狙う
プラントが先手を取ります。多彩な左を上下に打ち分けます。しかし、すぐに左ジャブを突いて距離をとり、半身に構えてフェイゲンブッツの攻撃を捌きます。
フェイゲンブッツの動きが止まると、すかさずコンビネーションをたたきこみます。追いかけるフェイゲンブッツのパンチは、ほとんど届きません。プラントは左フックのカウンターを狙っているようです。
8R)プラントも打ち疲れ?
いきなりプラントが左アッパーをダブルで打ち込みます。フェイゲンブッツは相変わらず前に出て、プレッシャーをかけますが、パンチは空を切るばかりです。
中盤、プラントが速いフリッカージャブから、右を打ち込みます。距離が詰まっても、フェイゲンブッツのパンチは、プラントの巧みなボディワークでかわされます。しかし、プラントも序盤に比べるとかなり手数が減りましたね。
9R)フェイゲンブッツが防戦一方に
プラントに右ストレートがカンターでヒットし、フェイゲンブッツの顎が上がります。すかさすプラントが連打を畳みかけます。プラントの多彩な左のパンチにフェイゲンブッツは、防戦一方になります。
それでも、フェイゲンブッツは前に出ます。プラントのパンチが軽いのか、フェイゲンブッツが打たれ強いのか。
プラントの左が、的確にフェイゲンブッツの顔面をとらえます。終盤は、接近戦で、多彩な左を上下に打ち込みます。
10R)最後は連打を畳みかけ
プラントが前に出て、倒しに行きます。フェイゲンブッツの動きにキレがなくなってきました。プラントは容赦なく左ボディからアッパーを打ち込みます。フェイゲンブッツのパンチに力がなくなりましたね。プラントは、体を密着させ左ボディから左アッパーでフェイゲンブッツを下がらせます。
反応の鈍ったフェイゲンブッツに、プラントはやりたい放題にパンチを放ちます。プラントはうまく休みながら、コンビネーションブローを放ちます。
そして、残り40秒、プラントが連打を畳みかけたところで、レフリーが割って入りました。10RTKOでプラントは2度目の防衛に成功しました。
「わしボク」の節穴の「目」
プラントの左は世界制す
フェイゲンブッツは、プラントの多彩な左に翻弄され、何もできませんでしたね。防御テクニックもかなりの差があったと思います。序盤で、プラントはフェイゲンブッツのパンチを見切っていました。
こうなると、あとは防戦一方になったところへパンチを集めれば、ストップ勝ちできます。
S・ミドル級も充実してきました
WBAスーパー カラム・スミス(イギリス)
WBA サウル・アルバレス(メキシコ)
WBC デビッド・べナビデス(アメリカ)
IBF ケイレブ・プラント(アメリカ)
WBO ビリージョー・サンダース(イギリス)
サウル・アルバレスを除くと、すべてのチャンピオンはみな全勝なんですね。カネロが今後、どの階級で戦うのか分かりませんが、一番魅力的なのはべナビデスです。安定感では、やはりカラム・スミスでしょう。プラントにもう少しパンチ力があれば、面白いのですが。