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213.相変わらず変な団体WBAの暫定王者決定戦
WBA世界Sミドル級暫定王座決定戦(2015年8月12日)
ビンセント・フェイゲンブッツ(ドイツ)VSマウシリオ・レイノソ(ペルー)
(出典:WOWOW)
フェイゲンブッツは19歳のドイツの期待の新星です。20戦19勝18KO1敗のハードパンチャーです。WBA7位。
一方のレイノソはペルー人。珍しいですね。
ペルーではありませんが、昔、チリのゴッドフリー・スチーブンスという選手が、西城正三さんに挑戦した試合を思い出しました。詳しいことは忘れましたが、確か50勝1敗ぐらいのすごい戦績で、しかも世界1位。
しかし、弱かったですね。KOこそ免れましたが、西城さんに手も足も出なかったほど一方的な試合だったと思います。
さてこのペルーの齢だけベテラン(38歳)のレイノソの実力はどうなんでしょう。
不思議いっぱいの暫定王座
ところでこの暫定王座決定戦ですが、ヒョウードル・チュディノフが正規王者に昇格したのに伴い、空位になった暫定王座の決定戦だそうです。
暫定王座が空位になる、といのもなんだか意味不明ですが、WBAの場合、暫定王者はつまり世界1位ということで、その1位は決定戦によって決めることになっているようです。おそらく認定料を取るためでしょうね。姑息な制度です。
普通なら2位と3位、もしくはそれに近いランカー同士で決定戦をするものだと思うのですが、今回はなぜか7位と8位。なんじゃこりゃ!
ハードパンチャー対決
レイノソの戦績もなかなかのものですよ。17戦15勝11KO1敗1分。
年齢の割に試合数は少ないですけど、KO率は高いですし、見るからにパンチがありそうな体つきをしています。
実際、レイノソはパワフルな攻撃で左ストレートは強いです。体つきも一回り大きいように見えます。しかしレイノソが強かったのは1ラウンドだけ。
2ラウンドに新星フェイゲンブッツの右フックであっさり手をつき、ダウン奪われてしまいます。その後はスピードの違いを見せ、完全にペースはフェイゲンブッツが握りました。
(出典:WOWOW) この右フックであっさりダウン
あっけなかったのは3回。フェイゲンブッツの左ボディであっけなくダウンを奪われ、立ってきたところへ右フック2発でまたダウン。これでレフリーがストップしました。
(出典:WOWOW)
フェイゲンブッツはパンチ力がありますね。
思い切り打つ分体が硬い
フェイゲンブッツはガードが堅いです。両手を高く上げて完全に顔をボディをカバーします。ドイツの選手の典型的なタイプです。
「パンチがあるというのは楽しみな選手です」と浜田さん。
思い切り打つだけに体の硬さが目につきますが、ガードの堅さとこのパンチ力で十分カバーできると思います。
私は、Sミドル級というのは結構穴だと思っています。強い選手がミドル級とLヘビー級に集まり、Sミドル級はミドルほど選手層が厚くないような気がします。
しかし、フェイゲンブッツはまだ19歳ですし、強い選手との手合わせがないので、真価を問われるのはこれからでしょう。