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ジョージ・グローブス(イギリス)VSクリス・ユーバンク・ジュニア(イギリス)
WBA世界S・ミドル級タイトルマッチ(2018年2月17日)
(出典:WOWOW)
グローブスは30戦27勝20KO3敗、29歳。
ユーバンクは27戦26勝20KO1敗、28歳。
グローブスはこれがWBA世界S・ミドル級、2度目の防衛戦ですが、この試合にはもう一つの権利がかかっています。
S・ミドル級とクルーザー級の2階級で行われている「ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ」の準決勝としても行われます。勝った方が決勝に進めます。
優勝所金はなんと10億6千万円。
まあ、この2階級は、重い階級の中ではやや人材不足な感じがしていましたから、こんなイベントが行われたのでしょうね。
でも、この(8人でトーナメント)シリーズには、デビッド・べナビデスもヒルベルト・ラミレスも参加していませんから、なんとなく中途半端な気がします。
まあ、私は、優勝するのはベスト4に残っているカラム・スミスだと思います。
グローブスのカウンターVSユーバンクのパワー
前に出て、接近戦でパワフルなパンチを振り回すユーバンクに対して、グローブスは右ストレートの打ち下ろし、左ジャブのカウンターを狙います。
グローブスもかなりパワーアップした体つきをしていましたが、やはりフィジカルの強さではユーバンクですね。怖いタイミングで大きな左フックを放ってきます。
初回にグローブスの左ジャブカウンターがヒットし、明らかにユーバンクの膝がマットについていますが、レフリーはダウンを取りませんでした。
返しの右が当たっていれば確実にダウンでしょうね。
(左ジャブがカウンターで決まり、ユーバンクがマットに膝をついています)
両者エキサイトしすぎ
ユーバンクは、力任せに左右のパンチを振り回し、ロープに詰めてパンチをねじ込みますが、如何せんパンチの精度が悪く、なかなかクリーンヒットしません。
グローブスは押されながらも、要所要所でカウンターを決め、ポイントをうまく取ってペースを握ります。
接近してからのユーバンクのパンチは、力みすぎてクリーンヒットしません。
とにかくお互いエキサイトしすぎ。もみ合いが多く、ユーバンクはパンチが当たらないとヘッドバッドと、ますますダーティなボクシングで、劣勢を打開しようと必死です。
(離れてのボクシングではグローブスが一枚上手ですね)
しかし、離れてのボクシングはグローブスが一枚上手ですね。
ユーバンクの大振りの左フックも当たればかなりの威力がありそうですが、さすがにこれはグローブスに見切られてしまいます。
もう少しコンパクトに放てばヒットするのでしょうが、エキサイトしているユーバンクにそのゆとりはなさそうですね。
最終ラウンド、グローブスが大ピンチ
最終12ラウンドに異変が起こりました。
左ジャブを放った後、グローブスの様子がおかしくなります。
右肩を脱臼したのか、確かなことは分かりませんが、とにかく左肩を負傷したようです。
パンチは右しか放ちません。
当然、ユーバンクが猛然と襲い掛かります。
クリーンヒットしたパンチもかなりありましたが、やはり力みすぎて攻撃が雑です。
大ピンチに陥ったグローブスはもう防戦一方。とにかくあと2分近くありましたから、大変です。
ユーバンクがもっと利口なボクサーだったら、間違いなく倒していたでしょうね。
このピンチをしのいだグローブスが3-0(116-112、117-112、115-113)で勝利をものにしました。
グローブスの負傷次第では、トーナメントの決勝は不戦勝になるかもしれませんね。まあ、どうでもいいですけど。