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ギジェルモ・リゴンドーがはく奪されたWBOタイトル
WBO世界Sバンタム級王座決定戦(2015年12月11日)
ノニト・ドネア(フィリピン)VSセサール・フアレス(メキシコ)
(出典:WOWOW)
リゴンドーがはく奪されたタイトルを1位のフアレスと2位のドネアが争います。
滑り出しはドネアの独壇場でした。
とにかくスピードが圧倒的に違いました。
フアレスの左ジャブに合わせて打つ右カウンターが、面白いようにヒットします。
右ストレートからの左フックの返しも、もちろん当て放題です。
そして、4ラウンド。
狙い打ちの右カウンターでぐらつかせ、ちょっとスリップ気味でしたが、まず1回目のダウンを奪います。そして伝家の宝刀左フックカウンターで今度はかなりダメージのあるダウンを奪いました。
この右ストレートカウンター狙い打ちでした
(出典:WOWOW)
ここまででもう6ポイントの差がつきました。
KOも時間の問題と誰しもが思ったことでしょう。
タフでパワフルなセサール・フアレス
倒しに行くと思われた5ラウンドはドネアが少し小休止。飛ばしすぎて少しスタミナを消耗したのかな?それにしても強引に打ってくるフアレスのパンチを少しもらいすぎのような気がします。
異変が起こったのは6ラウンドです。
どうやらガス欠気味のドネアが、フアレスのパワフルな攻撃に押され気味になり、バックステップの際にスリップダウン。
ここからドネアは明らかに失速
(出典:WOWOW)
このダウンでどうやら足を痛めたドネアは、ゴングに助けられましたが、ここから明らかに失速。足の踏ん張りがきかないのか、パンチの威力がなくなりました。
めっきり減ったのが、右ストレートカウンターです。右手を痛めたのか、足の踏ん張りがきかないのか、とにかく右のパンチがほとんど出なくなりました。
クリーンヒットではドネアだが
フアレスのパンチが相変わらず雑で、時折打つドネアの方がクリーンヒットでは優っていたかもしれませんが、プレッシャーをかけ無尽蔵のスタミナで連打を打つフアレスのパンチをもらう場面も結構目立ちます。
いずれにしても、7ラウンドからは、完全にペースはフアレスが握っていました。
フアレスは、テクニックもスピードも全くB級選手ですが、パワーと打たれ強さは桁外れです。
ドネア大ピンチ!
11ラウンドからは完全にドネアは逃切り態勢に入りました。
しかし、フアレスは逃がしてくれません。何度もロープやコーナーに詰められて滅多打ちに合います。
浜田さんも「フアレスも効いていますが、ドネアはもっと危ないですよ」
12ラウンドも動けたのは1分ぐらいで、あとはもうフアレスの圧倒的なパワーパンチにさらされて、もう大ピンチ。ドネアは立っているのが精いっぱいです。
結果は知っていましたが、それでもハラハラしましたね。
判定は意外にも差がついていました。3-0(116-110、116-110、117-109)の完勝ですが、私の採点ではドローでした。
ドネアはパンチをためて打つので、かなりスタミナを消耗するのでしょうね。
それと4ラウンドの左フックは全盛期ならKOパンチになっていたはずですが、フアレスのタフネスを考慮しても、パンチの威力は明らかに落ちています。
日本人でドネアに勝てるのは、ひょっとしたら大竹秀典かもしれませんね。