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ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)リボリオ・ソリス(ベネズエラ)


WBA世界バンタム級王座決定戦(2020年2月8日)
リゴンドーは、21戦19勝13KO1敗1NC、39歳のサウスポー。WBA2位。162cm。
本来はS・バンタム級の選手ですが、今回、階級を下げて、井上尚弥のいるバンタム級戦線に乗り込んできました。
ソリスは、31戦25勝11KO4敗1分け1NC、37歳。WBA1位。163cm。
日本におなじみの選手ですね。2013年に河野公平さんに判定勝ちして、WBAのS・フライ級王座統一。亀田大毅さんとの試合は、「負けても王座保持問題」に端を発し、JBCと裁判沙汰になっています。2016年には、山中慎介さんに挑戦し、判定負けしています。
試合経過)
好戦的だったのは初回だけ
ソリスが接近戦で積極的に打って出ます。リゴンドーは少し下がって、うまく左のショートカウンターを放ちます。しかし、リゴンドーもソリスのパンチをもらい、クリンチで逃げます。ソリスがガンガン行きますが、リゴンドーは執拗にクリンチで逃げ、ゴング間際にソリスの右フックがヒットします。
2ラウンドからは軌道修正
2ラウンドからは以前のリゴンドーに戻ります。距離をとって、ソリスのパンチを徹底的に外し、左のカウンターを狙います。観客席からは早くもブーイングが聞こえます。
ソリスは、左のカウンターを警戒し、なかなか中に入れません。接近すると、リゴンドーの得意技、「クリンチ」でソリスの攻撃を封じます。リゴンドーの独特のステップワークで、ソリスは距離を詰めることが出来ません。ソリスができるのは、両手を広げ、「打ち合おう!」というようなジェスチャーだけです。
リゴンドーはフットワークだけで、ほとんどパンチを放たない、まさに省エネっボクシング。しかし、ソリスも自分の距離に入れず、パンチが届きません。
左アッパーでダウンを奪うが
7ラウンド序盤、不用意に接近してきたソリスに左アッパーから左フックで、リゴンドーがダウンを奪います。この辺のテクニックは見事です。ソリスはフラストレーションから、少し集中力を欠いていましたね。
ここから、リゴンドーが左をガンガン打ち込みますが、ソリスも必死に応戦します。仕留めきれないとみると、リゴンドーはまた距離をとります。
またもや安全運転に
8ラウンドからは、またいつものリゴンドーに戻ります。リゴンドーが安全運転に徹したら、ソリスは何もできません。ソリスのパンチは全く届きません。リゴンドーは、「左を打つ」構えだけで、後はステップを踏みほとんどパンチを放ちません。ペースを支配しているのはリゴンドーですが、積極的に前に出て、パンチを放っているのはソリスです。
ソリスが勝負に出るが
10ラウンド、ソリスがプレッシャーを強めて、前に出ます。何とかペースを取り戻そうと、勝負に出た感じです。リゴンドーは、右ジャブを突いて距離をとります。
そして、ソリスがリゴンドーをコーナーに追いつめたとき、リゴンドーはスルリと体勢を入れ替え、左ストレートをヒットすると、ソリスが足をばたつかせます。これは効いた!リゴンドーはすかさず左を叩き込みますが、ソリスもダメージがありながらも応戦してくると、リゴンドーは無理をしません。
そして、ソリスの終盤の攻勢をかわし、ブーイングを浴びながら、後の2ラウンドを消化しました。
判定は意外にも2-1(115-112、116-111、112-115)でしたが、リゴンドーがタイトルを獲得しました。
「わしボク」の節穴の「目」
いくら何でもソリスの勝ちはないでしょう
手数ではソリスが上回っていたかもしれませんが、ヒットしたのは初回だけです。あとは、恐らく一発も当たっていなかったと思います。ペースは完全にリゴンドーですし、ダウンを奪い、少ないながらも、有効打でも優っていました。前に出ていただけでは、ボクシングは勝てませんよ。
しかし、ソリスの勝ちにしたい気持ちは分かります。フリオ・セハ戦で好戦的なスタイルを披露し、バンタム級戦線に乗り込んできたのに、この日の塩ボクシングはがっかりですね。
左のカウンターは怖いが
7ラウンドの左アッパー、10ラウンドの左ストレートは、バンタム級階級を下げても、威力は十分ですし、抜群のタイミングで打ってきます。ディフェンスのいい井上尚弥でも、もらう危険性は十分あるでしょうね。ただ、そこからの追撃が、左ストレート一本槍なので、よほどダメージがない限り、これは予測がつくと思います。
問題は、塩ボクシングに対して、井上が自分の距離で戦えるかどうかでしょうね。リゴンドーは、決して打たれ強くないですから、井上のパンチが当たれば間違いなく倒せます。
打ち合いになれば、リゴンドーはガードが甘くなるので、間違いなく井上のビッグパンチがヒットする確率は格段に高くなります。
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