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ジャーマル・チャーロ(アメリカ)VSブランドン・アダムス(アメリカ)

WBC世界ミドル級タイトルマッチ(2019年6月30日)
チャーロ兄は、28戦全勝21KO、29歳。
KO率75%の強打で豪快に倒す、アメリカミドル級のスーパースター候補です。この試合直前にサウル・アルバレスがWBCフランチャイズ王者?(なんじゃこりゃ)に認定されたため、正規王者に昇格しています。
アダムスは、23戦21勝13KO2敗、29歳。WBC12位。
2015年にTKO負けして、3年のブランクを作りましたが、2018年に行われたアメリカのトーナメントで4連勝して、チャンスをつかみました。
小柄なアダムスを捕まえにいくが…
10㎝背が高いチャーロが、前に出てプレッシャーをかけます。しかし、チャーロのパンチは空を切るばかり。アダムスはスピードがあって、ボディワークも巧みです。
少しずつプレッシャーを強めるチャーロですが、なかなかアダムスを捕まえられません。しかし、アダムスもチャーロのパワーに押されて、こちらは手が出ません。チャーロのパンチもスピードはありますが、少し大振りで雑な感じがします。接近した時のコンパクトなアッパーも、ヒットしていますが、アダムスのボディワークでパンチを殺されています。
中盤は待ち構えてチャンスを狙う
4ラウンドは、アダムスが前に出て、速いステップインでパンチを放ちますが、チャーロのディフェンスに阻まれ、ほとんどクリーンヒットしません。中盤のチャーロはアダムスの打ち終わりを狙うようになります。
そして、5ラウンドにアダムスの左に合わせて、カウンター気味に左ストレートをヒット。やや腰を落としたアダムスがロープに下がったところへ連打を浴びせます。しかし、アダムスの巧みなボディワークで逃げられてしまいます。
6ラウンドに入ると、チャーロのコンパクトなパンチがアダムスをとらえ始めます。しかし、終盤にアダムスの左フックがチャーロの顎をとらえ、今度はアダムスがチャーロをロープに詰めて連打を放ちます。アダムスの左フックを不用意にもらっていますね。
後半、チャーロがやや失速気味に
後半、チャーロのコンパクトなパンチが、徐々にアダムスにヒットするするようになり、アダムスの動きがやや鈍ってきます。しかし、時折、アダムスが速いステップインで、大振りのパンチを放ってきます。
アダムスも必死に応戦しますが、パンチ力の差は歴然としています。しかし、チャーロもいつもほど攻撃に精彩がありませんね。前半の空転がスタミナを消耗させたのでしょう。一発良いのを当てても、アダムスが追撃を許しません。フラストレーションのたまる試合でしょうね。
そして、終盤になっても、アダムスのボディワークはチャーロの攻撃を阻み続けます。このボディワークで、チャーロのスタミナを削っていったのでしょうね。
判定は3-0(119-109、120-108、120-108)で文句なくチャーロの勝利でしたが、試合内容は点差ほど一方的ではなかったと思います。チャーロ兄は大きく評価を下げた感じがします。