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井上岳志(ワールドスポーツ)VSコムサン・ポンセーン(タイ)

WBOアジアパシフィックS・ウェルター級王座決定戦(2019年8月3日)
井上は、15戦13勝7KO1敗1分け、29歳。WBO9位。
今年、1月にアメリカヒューストンで、ハイメ・ムンギアに挑戦し、大差の判定でタイトル獲得に失敗しましたが、点差以上に大健闘したと思います。あのムンギアの強打を12ラウンド耐え抜き、接近戦で放った右フックが、結構ムンギアの顎をとらえていました。
コムサンは、50戦38周防24KO10敗1分け1NC、36歳。WBOアジアパシフィック4位。
リングネームは、 パトンサック・パトンポートン。キャリア50戦の超ベテランですが、近藤明広には2戦して、いずれもKO負けしています。
井上のパワーと頑丈さは、日本一かもしれませんね。この程度の相手なら、早い回であっさりKOして、再度世界を狙ってほしいと思います。
試合経過)
1R)
体格はほぼ同じですが、井上のかなたの筋肉の盛り上がりは、いかにもパワーがありそうです。前にじりじりと出るコムサンに対し、井上が下がりながらまず左ジャブをヒット。井上は序盤から左ジャブがよく出ます。
終盤、井上がコムサンをロープに詰めて、連打を放ちます。そして、井上の左がコムサンのボディにヒット。かなり効果的なパンチです。
2R)
この回もコムサンが前に出てパンチを放ちますが、井上はこれを軽く捌きます。コムサンはやや変則的なボクシングですが、体は柔らかそうです。1分過ぎ、井上がコムサンをロープに詰めてワンツーをヒット。しかし、コムサンは上体の柔らかさで、パンチを殺している感じです。
コムサンがボディを突いて、前に出ます。そして、得意の右フックを多用します。この回は、井上の左ジャブが少ないですね。
しかし、2分過ぎ、井上の右フックがコムサンの顎を打ち抜きます。これで、コムサンの足取りがやや怪しくなります。

そして、最後は、ロープに下がったコムサンの右わき腹に、井上の強烈な左ボディブローがきまり、コムサンが膝をつきます。


コムサンは立ち上がることが出来ず、カウントアウト。井上がKO勝ちでタイトルを獲得しました。

ちょっと強引な倒し方でしたが、全く危なげなかったですね。欲を言えば、左ジャブをしっかり打って、もっとコンパクトなパンチで手数があれば、世界も夢ではないと思います。世界でポイントを取ろうと思ったら、まず手数ですよ。