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末吉大(帝拳)VS高畑里望(ドリーム)
日本S・フェザー級王座決定戦(2017年10月7日)
(出典:日テレG+)
尾川堅一が世界タイトルを狙うため返上し、空位になった、日本S・フェザー級の王座決定戦です。
1位の末吉は、16戦15勝10KO1敗、26歳。満を持して臨みます。
2位の21戦13勝5KO7敗1分け、38歳。37歳を過ぎても日本ランキングに入っていれば引退しなくてもよい、という特例で、この度、最高齢でのタイトル挑戦となったわけです。
私の戦前の予想では、末吉の圧勝、後半でのKOも十分考えられる、と信じて疑いませんでした。
距離の長さに戸惑う末吉
身長174㎝の末吉に対し、高畑は180㎝の長身。リーチはもっと差がある感じでした。
前に出る高畑の左ジャブが、予想以上に長く、末吉がその長さにかなり戸惑っていますね。しかも、少し硬くなっているのか、いつもより動きも悪いように見えます。
高畑のパンチもクリーンヒットはほとんどないのですが、末吉はペースがつかめず、得意の左ジャブも少なく、やや押され気味の滑り出しです。
中盤辺りからようやくジャブが
どうにもかみ合わない展開が中盤まで続き、お互いクリーンヒットがあまりありません。高畑の長いロングフックも末吉のディフェンスの良さとフットワークに阻まれ、単発に終わります。
中盤辺りからようやく末吉の左ジャブがヒットし出し、右ストレートも届くようになってきました。
(ようやく末吉の左ジャブが当たり出すが、どうも踏み込みが甘い感じ)
しかし、こちらも単発に終わり、連打が出ません。
右ストレートも体が伸び切ったところでヒットしているので、威力は半減。高畑にダメージを与えるまでには至りません。
(末吉の右クロスも、もう10㎝深く打ち込まないと威力が半減)
後半は末吉がペースをつかむが
5ラウンド終了時点での採点は2-0(48-48、48-47、49-46)で末吉がリード。
この発表を受けて、高畑が積極的に打って出ますが、硬さがとれて動きが良くなった末吉に、パンチを見切られ、ほとんどヒットしません。
しかし、末吉も高畑の長いリーチに阻まれ、思い切って踏み込むことが出来ません。
強いパンチが打ち込めず、どうしても末吉の距離で戦うことが出来ません。
終盤は、かなり強引に末吉が前に出てパンチを放ちますが、やや攻撃が雑で、時折高畑の右カウンターをまともにもらう場面が増えてきます。
(ディフェンスのいい末吉が高花他の右カウンターをもらう場面も)
それでも、やや疲れの見えた高畑に対し、末吉がようやくペースをつかみ、手数も増えてきました。
しかし、やはり高畑の距離の長さに、どうしても決定打を打ち込みことが出来ず、最終ラウンドまで、末吉らしさがほとんど見られず、不完全燃焼で試合は判定にもつれ込みました。
後半はなんとなく末吉がペースをつかんでいた感じですし、高畑も末吉に本来のボクシングをさせなかっただけで、クリーンヒットが少なく、こちらも結構やりにくそうでしたね。
噛み合わないボクシングの判定は、3-0(97-93、98-93、98-92)で末吉が勝利し、タイトルを獲得しました。
末吉は、リーチの長い相手に対する対策が全くできてなかっですね。
勝利者インタビューもまるで敗者のようでした。
今まで見た末吉の試合にの中では、最低の出来でした。世界はまだまだ遠いですね。