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テレンス・クロフォード(アメリカ)VSジュリウス・インドンゴ(ナミビア)
4団体統一世界S・ライト級タイトルマッチ(2017年8月19日)
(出典:WOWOW)
クロフォードは31戦全勝22KO、29歳。WBC、WBO世界王者。
スイッチヒッターですが、最近の試合はほとんどサウスポースタイルで戦っています。
PFP(パウンドフォーパウンド)でも上位にランクする実力者です。「わしボク」では3位にランクしています。負けないボクシングをするという点では、引退を表明したアンドレ・ウォードに匹敵すると思います。
インドンゴは22戦全勝11KO、34歳のサウスポー。WBA、IBFの世界王者です。
エドゥアルド・トロヤノフスキーを初回、ワンパンチで沈めて、IBFタイトルを獲得し、さらにリッキ―・バーンズにも判定勝ちし、WBAタイトルも手に入れました。
しかし、この選手はホントに不思議なボクサーで、その実力は未だに未知数な部分があり、はっきり言って、私はそれほど強いとは思っていません。
トロヤノフスキーを倒したのは、サウスポーの強みを生かしたラッキーパンチだったと思っています。
全勝対決とはいえ、実績の差で、クロフォードが断然有利というのが大方の予想です。
互角だったのは初回だけ
クロフォードは、初回からサウスポースタイルでスタートしました。
身長で6㎝、リーチで3cm上回るインドンゴですが、リング上で対峙した二人にそれほど差は感じませんでした。
クロフォードは右ジャブを突いて、少しプレスをかけ前に出ますが、先に手を出すのはインドンゴ。かなり振りが大きく、当たれば怖そうなパンチですが、クロフォードはすぐにステップバックし、左のカウンターを合わせてきます。
(左フックのカウンターがヒット)
まだ、クロフォードは慎重です。
2ラウンドに早くもダウン
プレッシャーをかけるのはクロフォードですが、先にパンチを放つのはインドンゴです。かなり大きなスイングで、これではクロフォードにはヒットしません。
クロフォードは前に出て、インドンゴが打って来たらカウンターを合わせるという、相変わらずかなり手堅いボクシングです。チャンスが来るまで、決して自分から打って出ません。
2ラウンド中盤、振りの大きいインドンゴの体が流れ、クロフォードがボディブローをヒット。体制を崩し、バックステップしたインドンゴをさらに追いつめます。
インドンゴがダッキングしたところへ、左の打ち下ろしをヒットし、早くもダウンを奪いました。
(ダッキングしたインドンゴに左ストレートを打ちおろしダウンを奪います)
しかし、インドンゴにそれほどダメージがないとみると、クロフォードは決して無理をしません。
カウンターのボディブローで沈める
クロフォードがプレッシャーをかけて前に出ると、大きなスイングでインドンゴが先に打ってきます。初回から、全く同じパターンです。
そしてインドンゴが大きな振りでパンチを放った来たところへ、クロフォードが見事なボディブローをカウンターでヒットしました。
そして、とどめの返しの右ボディブローを放つと、インドンゴはたまらずダウン。
(インドンゴのパンチをかわし、左ボディブローをカウンターでヒット)
(返しの左ボディがみぞおちにヒット)
(苦しそうにダウンするインドンゴ)
レフリーは珍しくテンまでカウントし、クロフォードが圧倒的な強さで、4団体統一王座を獲得しました。
インドンゴの化けの皮が少しはがれた感じです。
勝ったクロフォードは、IBFのタイトルを返上しました。
どうやら、ウェルター級へ階級を上げ、ジェフ・ホーンとマニー・パッキャオの勝者と対戦するつもりだったようです。
しかし、パッキャオのスケジュールが合わず、ホーンは、10位のゲーリー・コーコラン(イギリス)と防衛戦を行うようです。
さて、クロフォードはどうするのでしょうか。目が離せませんね。