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ジェシー・ハート(アメリカ)VSサリバン・バレラ(キューバ)
L・ヘビー級10回戦(2019年6月15日)
ハートは、27戦25勝21KO2敗、29歳。WBO世界S・ミドル級4位。
昨年12月にヒルベルト・ラミレスに判定負けし、タイトル獲得に失敗。この試合がL・ヘビー級転向初戦となります。
バレラは、24戦22勝14KO2敗、37歳。WBA2位。
昨年3月にドミトリー・ビボルに挑戦し、12RTKO負けでタイトル獲得に失敗しています。2018年11月に、再起戦で ショーン・モナハンに判定勝ちしています。WBC7位、WBO7位、IBF12位。
ハートはこの試合に勝って、L・ヘビー級で世界タイトルを狙ってます。バレラは年齢的に、世界挑戦への最後の足掛かりとなるでしょうね。
レベルの高いLヘビー級で、すべての団体にランクインしているバレラは、かなりの実力者と言えるでしょう。先にLヘビー級に転向したヒルベルト・ラミレスは、試運転で圧勝しましたが、ハートにとってこのバレラは難敵ですよ。
試合経過)
1R)
前に出てプレシャーをかけるバレラに対し、ハートは長いジャブで距離をとります。ハートの攻撃はやや変則的ですね。速いステップインで、長いパンチを振り回します。バレラは基本に忠実なボクシングと言えるでしょう。
2R)
2ラウンドにハートの打ち下ろしのパンチで、バレラがダウンしますが、レフリーをこれをスリップと裁定しました。しかし、ダメージは結構ありますよ。しかし、ハートの雑な攻撃に助けられ、カンターをヒットして反撃し、この回を凌ぎます。
3R)
バレラはハートの乱戦に巻き込まれ、やや自分のボクシングを見失っている感じです。バレラの表情は、まだダメージを引きずっているように見えます。ハートはもみ合いの中でも、大振りのパンチを振り回してきます。早くも消耗戦の様相を呈してきました。
4R)
ハートの左ジャブは結構速いですね。そして、ハートの右打ち下ろしがバレラのテンプルをとらえます。バレラはやや足の運びが怪しくなっています。ハートは接近戦でも、うまく体を引いてロングフックを放ちます。バレラはハートの右を結構もらっていますね。ところが終盤、今度はバレラの右フックがヒットし、ハートがピンチに陥ります。ここはゴングに救われます。
5R)
消耗度が激しいのは、バレラの方ですね。そして、ハートはうまく休みながら戦っています。前に出るバレラですが、攻撃にキレがありません。ハートは距離をとって、ダメージの回復を図っています。
6R)
バレラが積極的に攻めますが、パンチにスピードがありません。ハートはまだ休みながら戦っている感じです。しかし残り約1分。バレラが右ボディーを放って頭が下がったところへ、ハートの右打ち下ろしがヒット。バレラの身体が大きく泳ぎます。ここからハートが猛攻をかけますが、バレラはクリンチで必死に防戦し、ピンチをしのぎます。ハートも疲れからか、大振りのパンチがやや雑で、留めのクリーンヒットが当たりません。
7R)
両者やや疲れた感じです。ハートはバレラのパンチに合わせてカウンターを狙っています。この回はお互い手数が少ないですね。バレラも前に出ますが、あまり効果的なパンチはありません。ハートは距離をとって休んでいます。
8R)
前に出るのはバレラですが、的確なパンチはありません。ハートは左ジャブで距離をとり、ひたすら右のカウンター狙いか。そして、お互い効果的なパンチがなく2分が過ぎようとしたところで、バレラの右ストレートに合わせて、ハートがドンピシャのタイミングで左フックをテンプルにヒットし、ついにバレラがダウンしました。
ただ、バレラのダメージはそれほどでもないようで、前に出るバレラに、ハートは下がりながら距離をとります。
9R)
バレラが捨て身で前に出ます。しかし、ハートは逃切り態勢に入ったようです。下がりながら左カウンターを狙っているだけです。バレラは前に出ますが、カウンターを警戒し、効果的なパンチはありません。飯田さんは「ハートは、右を痛めたかもしれません」。
10R)
ハートはもう完全に逃げ切り態勢です。入ってくるバレラをクリンチで捕まえます。バレラはハートの左ジャブが邪魔で、思い切って中に入れません。だらだらと時間が経過していきます。
判定は明白ですね。3-0(99-90、93、96、97-92)でハートの完勝です。しかし、このボクシングではLヘビー級の四天王には通用しないでしょう。