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レジス・プログレイス(アメリカ)VSキリル・レリク(ベラルーシ)
WBCダイヤモンド・WBA世界S・ライト級統一王座決定戦(2019年4月27日)
プログレイスは、23戦全勝19KO、30歳のサウスポー。WBCダイヤモンド世界S・ライト級王者
WBCダイヤモンド王座の定義があいまいで、「わしボク」にはこのタイトルの意味が理解できません。ちなみに、プログレイスはWBAでは5位にランクされています。ダイヤモンドとかスーパーとか暫定とか、とにかく訳の分からないタイトルはいい加減、整理したらどうですか。
レリクは、25戦23勝19KO2敗、29歳。WBA王者。
この試合は、WBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)の準決勝として行われます。ちなみに、もう一つの準決勝は、井上尚弥の試合と同じ、5月18日、グラスゴーで行われます。
イワン・バランチク(ベラルーシ)VSジョシュ・テイラー(イギリス)
初回のボディブローがすべて
前に出てプレッシャーをかけるのは、意外にもレリクの方です。プログレイスは、下がりながらまだ様子を見ている感じです。
しかし、1ラウンドの終盤に、プログレイスの左フックがレリクのボディにヒットすると、レリクは背を向けてロープに下がります。そして、プログレイスがロープに詰めて連打を浴びせると、レリクが膝をついてダウン。
連打よりも、明らかに最初のボディブローが効いていますね。
この回はゴングに救われました。
しかし、2ラウンド以降も、レリクは右のボディのダメージを引きずり、右腕はしっかりボディをカバーするため、ガードが下がり、右のパンチは伸びを欠いて威力は半減します。
こうなると、プログレイスは思い通りのボクシングを展開できますね。ボディブローを中心に攻め立て、ガードが下がれば、顔面へパンチをヒット。さらに2ラウンドにレリクは眉間をカットし、出血にも悩まされます。
下がらないレリク
レリクは、3ランド以降も前に出て、プレッシャーをかけ、パンチを放ちます。しかし、腰が引けて伸びを欠くパンチは、プログレイスの巧みなボディワークに阻まれ、空を切るばかりで、ほとんどヒットしません。ここで下がれば一気にプログレイスの連打にさらされるのは、明らかですから、レリクは必死に前に出て手を出します。
余裕の出たプログレイスは、ボディブローを中心に、じっくりレリクの戦力を削っていきます。レリクは回を追うごとに「なすすべなし」状態に追い込まれます。
ほぼ一方的な展開になってきた6ラウンド中盤。プログレイスが連打を畳みかけると、レフリーが割って入って、試合を中断しました。最初は、眉間の傷のチェックかと思われましたが、レフリーストップによる、プログレイスのTKO勝ちでした。
結局、初回のボディブローのダメージを最後まで引きずって、レリクは何もできずに終わってしまいましたね。これで、WBSS決勝へコマを進めたプログレイス。パンチ力があって、ディフェンスもしっかりしており、巧みなボディワークでほぼレリクのパンチは空を切っていました。ただ、初回にダウンを奪ってからの攻めが、あまりにも慎重で、「わしボク」にはそこが大いに不満ですね。