目次
ゾラニ・テテ(南アフリカ)VSジョンリール・カシメロ(フィリピン)
WBO世界バンタム級王座統一戦(2019年11月30日)
テテは、32戦28勝21KO3敗、31歳のサウスポー。173㎝。
長いリーチを生かしたアウトボクシングが中心ですが、チャンスでは一発で相手を倒すパンチ力を持っています。井上の最大のライバルと言われています。
カシメロは、32戦28勝19KO4敗、30歳。163㎝。WBO暫定王者。
2019年4月にリカルド・エスピノサとWBO世界バンタム級暫定王座決定戦を行い、12RKO勝ちで王座を獲得しています。パンチ力だけなら、テテより上かもしれません。
テテもネリも脱落
ルイス・ネリの体重超過にはがっかりしましたが、まさかテテがここで負けるとは、考えもしませんでした。
試合経過)
序盤の1~2ラウンドは、いつものテテのペースだったようです。おそらくここまでの経過を見て、大方のファンはこのままテテが長いリーチを生かして、大差の判定勝ち、思ったでしょうね。
ところが、テテにとって悪夢の3ランドが待っていました。1分過ぎに、カシメロが右フックのボディブローを放ち、テテの腰が引け頭が下がったところへ、さらに右フックがテンプルにヒットすると、テテが膝をついてダウンしました。
立ってきたテテですが、かなりダメージがあるようで、足取りが怪しくふらふらしています。カシメロが猛然と襲い掛かると、テテは前のめりに2度目のダウンを喫します。そして、コーナーに詰めて、カシメロがパンチを叩き込むとレフリーが試合をストップしました。
テテはやはり、打たれるともろい面がありますね。それにして、カシメロのパンチは予想以上に強烈でした。バンタム級に上げてから、すべてKOで勝っています。
バンタム級戦線にカシメロが急浮上
井上尚弥にとって強敵と目されていたネリとテテが脱落し、バンタム級戦線が大きく変わりました。ここでもう一度、バンタム級のトップボクサーをおさらいしておきましょう。
ギジェルモ・リゴンドーは、12月21日に、リボリオ・ソリスとWBAバンタム級王座決定戦を行う予定です。おそらく、リゴンドーが圧勝すると思いますよ。テテみたいな番狂わせはないでしょう。
ルイス・ネリとエマヌエル・ロドリゲスの勝者と、防衛戦を行う予定だった、ノルディーヌ・ウバーリは、指名試合がなくなり、自由に相手を選ぶことが出来るようなったようです。
井上尚弥(大橋)19戦全勝16KO、26歳。165㎝ WBAスーパー・IBF王者
ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)21戦19勝13KO1敗1NC、39歳。162㎝ WBA2位
ジョンリール・カシメロ(フィリピン)33戦29勝20KO4敗、30歳。163㎝ WBO王者
ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)17戦全勝12KO、33歳。163㎝ WBC王者
ノニト・ドネア(フィリピン)46戦40勝26KO6敗、36歳。171㎝ WBC4位
エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)20戦19勝12KO1敗、27歳。168㎝ WBC3位
リボリオ・ソリス(ベネズエラ)32戦25勝11KO5敗1分け1NC、37歳。163㎝ WBA1位
井上拓真(大橋)14戦13勝3KO、23歳。164㎝ WBC5位
比嘉大吾(白井・具志堅)16戦15勝15KO1敗、24歳。161㎝ WBC7位
栗原慶太(一力)19戦14勝12KO5敗、26歳。172㎝ IBF9位