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ルイス・ネリ(メキシコ)VSマクジョー・アローヨ(プエルトリコ)
バンタム級10回戦(2019年3月16日)
ネリは、28戦全勝22KO、24歳のサウスポー。WBC1位、WBA8位。
「問題児」ネリは、6か月間の停止処分後は2連勝(2KO)して、世界のトップ戦線に返り咲いています。
アローヨは、20戦18勝8KO2敗、33歳のサウスポー。IBFスーパーフライ悠11位、WBO13位。
元IBF世界S・フライ級チャンピオン。井岡一翔に判定負けしたマクウイリアムス・アローヨの双子の弟です。
パワーが違いすぎる
初回はお互い右ジャブ(サウスポー対決)をついて、様子を見ていましたが、後半になると早くもネリが大振りをパンチを放ってプレッシャーをかけます。
2ラウンドになるとアローヨの力量を見切ったように、ガンガン前に出てプレッシャーをかけ、左右のパンチを思い切り打って出ます。アローヨは押されっぱなし。防戦一方に追い込まれます。
そして、ロープに詰まったアローヨに、ネリの左アッパーがカウンター気味ヒットし、1度目のダウンを喫します。実況の高柳さんはボディブローと言ってましたが、顎にヒットしていましたね。
余裕すら感じられるネリは、完全に飲んでかかったように襲い掛かります。ラウンド終盤に、強烈な連打でアローヨは大きく体勢を崩します。
アローヨも応戦するが
3ラウンドは、アローヨもペースを取り返そうと、先手でパンチを放ち、やや持ち直した感じがしました。しかし、ネリが一気にアローヨをロープに詰めて、パワー全開の左右連打を打ち込むと、アローヨはあっさり2度目のダウンを喫します。
ここで「勝負あった」感じがしましたが、アローヨは立ってきます。ネリの追撃はなんとかゴングで中断されます。
4ラウンドは不要
力の差は歴然としていますね。3ラウンドで試合を止めても良かったと思います。
アローヨが必死で反撃しますが、ネリはお構いなしに思い切りパンチを振り回してきます。ロープに詰まって連打にさらされたアローヨは、追撃を回避するように3度目のダウン。しかし、立ってきたアローヨは、またもやロープに詰まり連打に浴びると、4度目のダウンを喫します。
ここでも立ってきたアローヨに、レフリーは試合を続行させます。
しかし、5ラウンドの開始のゴングが鳴っても、アローヨはコーナーから出てきません。ようやくギブアップしたようです。ダメージを考えると4ラウンドは不要でしたね。
対戦するとしたらまずは井上拓真
WBCは、現在正規王者がノルディン・ウーバーリ―で、暫定王者が井上拓真です。この二人の勝者に1位のネリが挑戦することになると思います。
ネリの戦力は、パワーだけなら一級品でしょうね。攻撃はやや雑ですが、アローヨ戦ではほとんどパンチをもらっていません。攻撃型のボクサーですが、パンチの見切りの良さ、ボディワークの上手さは、かなりレベルが高いと思います。残された問題は、打たれ強さとスタミナですね。
井上拓真が対戦るとしたら、とにかく前半戦を乗り切ることが最大の課題でしょう。パンチのスピードとフックワークで、ネリのスタミナ切れを待つしか勝機はなさそうな気がします。スピードとスタミナは井上に軍配が上がると思います。でも、ネリはまだ24歳ですから、これからさらに強くなるでしょうね。
実は、「わしボク」はものすごく消極的な考えで、ネリが減量苦で階級を上げてくれないかな、とひそかに願っています。