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ロメロ・ドゥノ(フィリピン)VSファン・パブロ・サンチェス(メキシコ)
ライト級8回戦(2017年9月24日)
(出典:WOWOW)
ホルヘ・リナレスVSルーク・キャンベルのアンダーカードで登場したドゥノは、フィリピンではパッキャオの再来と期待されているホープです。
15戦14勝13KO1敗、21歳のハードパンチャー。OPBFS・フェザー級3位にランクされています。
KO率はなんと86.7%。もちろん、対戦相手の質によりますが、陣営としては相当自信を持っているようです。
前回のアメリカデビュー戦で、全勝のホープ、C・ゴンザレスに2RKO勝利をおさめ、今回はセミファイナルに抜擢されています。
サンチェスは44戦30勝14KO13敗1NC。戦績から推測すればドゥノの「かませ犬(アンダードッグ)」という感じがしますね。
しかし、ジョー小泉さんの情報によりますと、なかなかタフな選手のようで、そう簡単に倒せる相手ではなさそうです。
序盤はドゥノの独擅場
話は逸れますが、最近読んだ本で初めて知ったのですが、独壇場というのは厳密に言うと間違いで、「独擅場」が正しい言葉だそうです。ただ、日本語というのは少しずつ変わっていくもので、今や圧倒的に「独壇場」を使う人が多いですね。私もその一人でした。
閑話休題。
ドゥノはきびきびして、いい動きをしますね。あっという間にプレッシャーをかけて、サンチェスを追い込みます。
スピード感はそれほどありませんが、いかにもパンチが重そうです。
しかし、サンチェスも単なるかませ犬ではなさそうです。ドゥノが少しでも隙を見せれば、すぐにパンチを打ち返してきます。
特にロープに詰まりそうになると、必ず反撃してきます。決してパワー負けしていません。
2ラウンドに入ると、さらにドゥノはプレシャーを強め、パワフルなパンチを打ちこんできます。ただ、少し攻めが単調で打ち方も雑な感じがしますね。
サンチェスはボディワークが巧みで、ディフェンスもうまいし、なかなかクリーンヒットを許しません。
見た目には、ドゥノが圧倒している感じですが、サンチェスはパンチをうまく殺し、ダメージを最小限にとどめています。
少しずつ攻めあぐねるドゥノ
ドゥノはどうも攻めが単調で、パワフルなパンチを打ちこむ割には、クリーンヒットが少なく、サンチェスに読まれている感じで、打ち終わりに必ずパンチを返されます。
後半からようやくボディブローを交え、上下の打ち分けでサンチェスを追い込みます。
6ラウンドは明らかに倒しに来ましたが、サンチェスの堅いガードをなかなか打ち破ることが出来ず、攻めあぐねるシーンが多くなってきました。
終盤少し失速したドゥノ
5~6ラウンドにかなり強めにパンチを打ちこんだドゥノ。さすがに7ラウンドは少し失速し、手数が減ります。
すると、ベテランのサンチェスが攻勢に出ます。大振りのサンチェスの派手なパンチををもらうシーンもあり、下がりながらもコンパクトにパンチを返すドゥノですが、少し見た目は劣勢になりつつあります。
恐らく終盤の2ラウンドは、サンチェスにポイントを奪われたと思います。
それでも、全体的にはドゥノの圧勝という感じで、危ないシーンは全くなく、ペースは最後まで譲りませんでした。
ジョーさんは80-72でしたが、ジャッジは3人とも78-74でドゥノ。
課題はたくさんありますが、才能は間違いなく一級品だと思います。
恐らく来年には世界ランクに登場してくるでしょうね。