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ハイメ・ムンギア(メキシコ)VSホセ・カルロス・パス(アルゼンチン)
WBC中南米S・ウェルター級王座決定戦(2018年2月10日)
(出典:WOWOW)
ムンギアは26戦全勝22KO、21歳。WBC9位。
昨年度のリング誌のプロスペクト・オブ・ザ・イヤー(新人賞)を獲得している、メキシコ期待の大型ホープです。
一方のパスは28戦21勝12KO6敗1分け。元中南米S・ウエルター級王者。
明らかにパスは、ムンギアの「かませ犬」という感じがしますね。
粗削りすぎで将来性には?
パスにとって不運なのは、初回にいきなりムンギアの左ボディブローをもらい、これが効いてしまったことでしょう。
(ムンギアの左ボディブローは彼の唯一の武器ですね)
それがなければ、試合の行方はかなり変わっていたかもしれない、と思いました。
何故かといいますと、ムンギアは、21歳とはいえ、26戦も戦っている割には、ボクシングの組み立てが粗削りで、解説の飯田さんが指摘した通り、ガードがとてもルーズです。
力んで打つパンチが大振りで、当て勘もあまり良くありません。スピードもさほどありません。
なんとなくボクシングがぎこちなく、はっきり言うと下手ですね。
ただ、左のボディブローはかなり威力があり、先にこれをヒットさせれば試合を優位に進めることが出来るでしょう。
このボディブロデーで初回に早くもダウンを奪いました。
(ロープに詰めて左ボディブローを打ち込みダウンを奪います)
力みすぎでガードが甘い
いただけないのは2ラウンドの攻撃です。
KO狙ってパンチは大振りになり、力みすぎてパンチが空を切る場面が目立ちます。
しかも、左ボディブローに合わせて、パスの左フックをカウンターでもらう始末。
相手のパンチに威力がないのを見切っているとはいえ、ガードのルーズさは気になります。
もう一つ気になったのが、ムンギアの口です。試合中、ずっと少し半開きなので、パンチをもらうと危険ですね。
パワーは一級品ですが
パワーが空転して、なかなかパスをとらえられないムンギアでしたが、3ラウンド終了間際に、左フックが少しアッパー気味にパスのボディをえぐると、パスは2度目のダウンを喫します。
(このボディブローは強烈でした。)
(やはりこのボディブローをもらうともう立てない)
最後は、パワーの違いを見せ付け、ボディブローでTKO勝ちしましたが、世界を狙うには、かなり課題が多そうです。
ゲンナディ・ゴロフキンVSサウル・カネロ・アルバレスの再戦は、禁止薬物の陽性反応が検出されたカネロが出場を辞退したため、なんとムンギアが代役の候補に挙がっているようです。
しかし、今のムンギアでは荷が重いですね。
得意の左ボディブローで勝負しようとするでしょうが、間違いなくゴロフキンにカウンターを合わされて、マットに沈むことになるでしょう。