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ホセ・ペドラサ(プエルトリコ)VSアントニオ・ロサダ(メキシコ)


中南米ライト級タイトルマッチ(2019年5月25日)
ペドラサは、27戦25勝12KO2敗、30歳のスイッチヒッター。WBC7位、WBO6位。
昨年12月、ワシル・ロマチェンコに判定で敗れWBOのタイトルを失いましたが、「こんにゃく」ぶりをいかんなく発揮し、評価は決して落ちていません。
ロサダは、43戦40勝34KO2敗1分け、29歳。WBC13位。
KO率79%の強打者。昨年3月に無敗のホープ、フェリックス・ベルデホにTKO勝ちしています。
ロサダが前に出てパンチを強振
序盤からロサダが目に出て積極的に打って出ます。ペドラサはいつものように下がりながら、ボディブローで応戦します。そして、頻繁にスイッチしてロサダにまとを絞らせません。しかし、ロサダはお構いなしにパンチを強振してきます。
長身のロサダに対して、ペドラサはなかなか距離をつかめないようです。それでも、3ラウンドあたりから、ボディブローを中心に反撃し、ロサダがロープに詰めて連打を畳みかけても、特にのボディワークでほとんどのパンチを外します。
前に出てプレッシャーをかけているのはロサダですが、下がりながらも、クリーンヒットの数ではペドラサが上ですね。4ラウンドには、ペドラサが完全にペースをつかんだ感じです。
5ラウンドは、ペースを取り戻そうと、少し強めに出てきました。巧みなボディワークでパンチを殺していますが、このラウンドはかなりペドラサはパンチを被弾しましたね。しかし、ペドラサのディフェンス技術は見事ですね。紙一重でパンチをかわしています。
浜田剛史さんの予想が的中
6ラウンドもプレッシャーをかけるのは、ロサダですが、徐々にペドラサが前に出て先に手を出し始めます。お互いかなりのパンチを出し合い、激しい打ち合いを展開します。7ラウンドはペドラサが前に出て、コンパクトなパンチを放ちロサダをロープに詰めます。ロサダはやや失速気味。
8ラウンド、何とか流れを変えようと、強引に前に出たロサダに、ペドラサの右カウンターがヒットし、ロサダが足をばたつかせます。ここからペドラサが別人のように、上下にパンチを打ち分けロサダに襲い掛かります。なんとか、凌いだロサダですが、後半はペドラサの強いパンチが何度もロサダの顎とボディーをとらえます。
そして、9ラウンド。前に出て強打を当てたいロサダに対して、スタミナを温存しながらも、上下にカウンターを打つペドラサ。このまま、このラウンドも終わるかと思われた残り30秒あまりのところで、サウスポーに構えたペドラサのワンツーがカウンター気味にヒットし、ついにロサダがダウンします。絶妙のタイミングでしたね。


何とか立ってきたロサダですが、ここはペドラサが逃しません。連打を集めたところで、レフリーが試合をストップしました。

浜田さんが試合前に予想した「中盤から後半にノックアウト」が見事に的中しました。実は「わしボク」はペドラサが「こんにゃく」ボクシングで判定勝ち、と思っていましたから、予想外の結末でしたね。メインの伊藤VSへリング戦より、はるかに見ごたえのある試合でした。ペドラサは、まだまだ世界を狙える力を持っています。これを機に「わしボク」は「こんにゃく」のあだ名を取り消したいと思います。