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カルロス・アダメス(ドミニカ共和国)VSパトリック・テイシェイラ(ブラジル)
WBO世界S・ウェルター級王座決定戦(2019年11月30日)
アダメスは、18戦全勝14KO、25歳。 WBO1位。180cm(リーチ185㎝)。
78%のKO率を誇るハードヒッターです。王者のハイメ・ムンギアがミドル級に階級を上げたため、ティシェイラと王座決定戦を行うことになりました。(ムンギアの動向がはっきりしないため、当初は暫定王座決定戦でした。)
テイシェイラは、31戦30勝22KO1敗、28歳のサウスポー。WBO2位。182cm(リーチ194㎝)。WBO2位。
唯一の1敗は、2016年に伏兵のカーティス・スティーブンスにTKO負けしたものです。(スティーブンス戦)→https://www.boxing-blog.com/entry/2016-05-10-121251
その後4連勝して、世界戦のチャンスをつかみました。リーチの長いサウスポー。アダメスにとってはやり難い相手かもしれません。
試合経過)
アダメスの右フック対テイシェイラの左フック
両選手が対峙すると、テイシェイラの方がかなり背が高く見えます。テイシェイラはやや変則スタイルで、意外と積極的にパンチを放ってきます。2ラウンド序盤は、アダメスが前に出て攻勢に転じます。アダメスは右フックのカウンターを狙っている感じです。テイシェイラは右ジャブから左フックを狙ってます。
序盤、アダメスがペースをつかむ
変則的なテイシェイラに対して、アダメスはボディブローを放ちます。3ラウンドはややボディが効いた感じがします。そして、下から上へ、パンチを放ちペースをつかみます。3ラウンド終盤は、アダメスの左右のフックがテイシェイラをとらえ、テイシェイラは防戦一方に追い込まれます。
4ラウンド、テイシェイラも必死に応戦しますが、アダメスのパワーに押され気味です。ティシェイラは下がりながも、手数は多いですね。しかし、左目の上をカット。テイシェイラはちょっと苦しくなりました。
中盤、ティシェイラが反撃
5ラウンド、テイシェイラは、アダメスのパワーに押されながらも、結構パンチを返しています。一方のアダメスは、前に出ながら、やや手数が減り、テイシェイラのパンチを結構まともにもらっています。
6ラウンドは、一進一退の打ち合いが続きます。テイシェイラの出血がひどくなってきました。お互い、かなりクリーンヒットをもらっていますが、ダメージはアダメスの方があるかもしれません。
アダメスが勝負に出てダウン
7ラウンドは、アダメスが勝負に出た感じです。テイシェイラのカットはパンチによるもの裁定されましたので、傷によるTKO勝ちを狙っているのかもしれません。
しかし、ラウンド終盤、やや打ち疲れたアダメスに、テイシェイラが下がりながら左右のフックをヒットさせると、アダメスの動きがおかしくなります。そして、右フックから返しの左フックで、アダメスがダウンしました。
何とか立ってきたアダメスですが、足元が怪しく、かなりダメージがあるようです。レフリーの不手際もあり、ここはゴングに救われました。レフリーが試合を止めてもおかしくない状況でしたね。
形勢は逆転か
8ラウンドはテイシェイラが、攻勢に転じます。アダメスはボディワークを使って、何とか回復を図りながら、カウンターを狙います。しかし、ティシェイラも出血がひどく、前のラウンドの打ち疲れもあって、決定打を放つことが出来ません。
アダメスもしぶとく粘るが
ややダメージから回復したアダメスに、テイシェイラも攻めあぐねて、なかなか形勢逆転とまでいきませんね。
10ラウンドは、またアダメスが前に出ます。ダウンのポイントを挽回しようと、必死に手を出します。しかし、テイシェイラの方が余力はありそうです。
11ラウンドは、テイシェイラの手数が増えてきました。しかし、アダメスも懸命に前に出てパンチを放ちます。テイシェイラのローブローに対して、レフリーは全く注意しませんね。最終ラウンドも、テイシェイラが手数で上回り、試合終了。
判定は2-1(114-113、114-113、111-116)でやはりダウンを奪ったテイシェイラが、僅差の判定で王座を獲得しました。アダメスは、痛い初黒星を喫しましたね。しかし、将来性では、テイシェイラよりアダメスの方があるよな気がします。