目次
カラム・スミス(イギリス)VSニーキー・ホルツケン(オランダ)
S・ミドル級12回戦(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)(2018年2月24日)
(出典:WOWOW)
この試合はWBSSの準決勝として行われます。
本来ならユルゲン・ブレ―マー(ドイツ)と対戦する予定でしたが、ブレ―マーがインフルエンザで出場できなくなり、リザーバー(代役)のニーキー・ホルツケンと準決勝を争うことになりました。
スミスは23戦全勝17KO、27歳。WBC1位。スミス四兄弟の末っ子ですが、一番才能があると言われています。
私も、このトーナメントでは優勝候補NO.1だと思います。
ホルツケンは13戦全勝10KO、34歳。WBC35位ですが、地元オランダではキックボクサーとしての方が有名らしいですね。
予めこういう事態のために、代役として登録されていたとはいえ、WBC35位でボクサーとしての実績はほとんどありません。
誰もがスミスの圧勝を予想していたと思います。
前半はスミスが圧倒
1ラウンドこそホルツケンがプレッシャーをかけ、パワフルなパンチを披露し、「なかなかやるな」と思わせました。
しかし、2ラウンドからはスミスが長い(身長差約10㎝)左ジャブでホルツケンをコントロールし、ガードを固めて前に出るホルツケンのその隙間をうまく突き、コンパクトなパンチを何度もヒットさせます。(解説の西岡利晃さんが打つたびに「うまい」と感嘆していました。)
その後も、KOも時間の問題かと思わせるような一方的な展開で、ホルツケンは中に入れず、完全にスミスの長い距離に手を焼きます。
手数もスミスが圧倒。逆にホルツケンは回を追うごとに手数が減ってきます。
勝負に行って倒せず失速
7ラウンドは明らかにスミスがパンチを強めに打って出て、勝負に出た感じがありました。
しかし、ホルツケンは意外としぶとく、少しずつスミスの攻撃に対応してきました。
そして、スミスは、この回の攻防でスタミナを消耗し、8ラウンドは明らかに動きが悪く、ホルツケンのプレッシャーに押され気味になります。
ホルツケンはスミスの左ジャブにもよく反応するようになり、前半ほどまともに喰わなくなってきました。
左ジャブで逃げ切る
スミスはガードを固めてホルツケンのパンチを打たせながら、スタミナの回復を図ります。
ホルツケンのグローブを止めるテープがはがれ、それを巻きなおすために2度ほど中断したのも、スミスにとってはラッキーでした。
10ラウンドから、再びスミスは持ち前の長い左ジャブで試合を立て直し、自分の距離をキープして逃切りに成功しました。
判定は3-0(118-110,117-111,117-111)でスミスが決勝進出を決めました。
決勝の相手はジョージ・グローブス。
この試合前は、スミスが優勝すると思っていましたが、どうも怪しくなってきましたね。グローブスのKO勝ちもあり得そうな予感がします。