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ジョシュ・ウェイル(イギリス)VSドン・ブロードハースト(イギリス)
英国バンタム級タイトルマッチ(2017年9月23日)
(出典:WOWOW)
ウェイルはこれが初防衛戦です。
35戦24勝11KO9敗2分け、29歳。まさにたたき上げのチャンピオンという感じですね。
解説の浜田さんいわく「負けながら強くなってきた選手」。
挑戦者のブロードハーストは、元英連邦S・フライ級チャンピオンで、元世界ランカーでもあります。
23戦19勝4KO3敗1分け、33歳。しかし、これだけKO率の低い選手も珍しいですね。
英国のタイトルマッチは12回戦で行われます。お互いパンチ力はなさそうですから、間違いなく判定決着、それも恐ろしい凡戦が予想されましたが…
間違いなく2人とも世界は無理
170㎝んチャンピオンに対して。ドンは159㎝しかありません。
1階級は違う感じですね。
しかし、前に出て積極的に手を出すのは、ウェイルで、背の低いドンは、むしろ距離を取ってボクシングをするアウトボクサーです。
お互いに言えることは、ガードが甘いことですね。ディフェンスはお世辞にもうまいとはいえません。これでは世界は無理でしょうね。
イギリスは一般的に、当て勘はよくないですが、ガードは堅いボクサーが多いと思いますが、この二人は逆ですね。
一見、ディフェンスがよさそうに見えたドンは、1ラウンドに早くもウェイルの右フックをもらい、ぐらつきました。
(ウェイルの大振りの右フックをまともにもらうドン)
中盤にドンが盛り返す
序盤は完全にチャンピオンがペースを握り、手数でドンを圧倒していました。
このまま最終ラウンドまで押し切るような展開に見えましたが、4ラウンドにチャンピオンがペースダウン。
ドンのフットワークが良くなり、距離を取ってパンチをヒットするようになりました。
完全にペースが逆転した感じです。
後半はチャンピオンが体力で押し切る
スタミナが切れたように見えたウェインが、後半からまた強引に前に出て、パンチを放つようになりました。
距離をとれない挑戦者は、少しずつ苦しい展開になってきます。
ウェイルが体力に任せて、強引に接近し、パンチをヒットします。
チャンピオンもかなり消耗していますが、挑戦者は明らかにダメージが蓄積してきています。
アッと驚く右ストレートカウンター
お互い消耗が激しく、もみ合うシーンが多くなってきて、どうやらこのままチャンピオンが押し切るかに思えた11ラウンド。
ドンの右に合わせて打った、ウェイルの右ストレートがカウンターでヒットしました。
疲れたところへ、見事なタイミングでもらったカウンターは、さすがに効いたようです。ダウンした瞬間に「立てないだろう」と思いました。
(抜群のタイミングで右ストレートがカウンターでヒット。ドンは仰向けにダウン)
まさかこの対戦でKO決着はないだろうと、のんびり観戦してただけに、衝撃的なKO劇でした。
ウェイルはWBC34位ということですが、この勝利で少しはランキングを上げてくるかもしれません。が、せいぜい30位以内がこの選手の限界でしょう。
ちなみに、日本のバンタム級チャンピオンは赤穂亮です。こちらはIBFで12位、wBOでは6位にランクしています。
しかし、こちらも世界戦で負けて以降、精彩を欠いています。とても世界を狙える状態ではありませんね。