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ハイメ・ムンギア(メキシコ)VSパトリック・アロティ(ガーナ)
WBO世界S・ウェルター級タイトルマッチ(2019年9月14日:日本時間9月15日)
ムンギアは、33戦全勝26KO、22歳。
2018年5月にサダム・アリにTKO勝ちしてタイトルを獲得。そこからわずか1年足らずで4度防衛と、精力的に試合をこなしていますね。しかし、ここ2試合KOから遠ざかって、若干評価を落としています。
アロティは、43戦40勝30KO3敗、28歳。WBO12位。
WBOアフリカS・ウェルター級タイトルを2度防衛して、世界タイトル挑戦のチャンスを獲得しました。ただ、名のある選手との対戦はなく、世界的には全く無名です。
ムンギアが何ラウンドで倒すか
アロティは一応世界ランカーですが、はっきり言って「かませ犬」ですね。この相手に手を焼くようでは、評価は暴落するでしょう。
この試合の焦点は、「ムンギアが何ラウンドで倒すか」だけでしょうね。しかし、最近「アップセット」が増えていますから、無防備で強引に倒しにくと、とんでもない結末が待ってるかもしれません。
アンダーカードにハプニング
なお、アンダーカードでライト級の超新星、ライアン・ガルシアが登場する予定でしたが、相手選手が計量当日に逮捕されるというハプニングで、試合は中止になりました。配信が30分も遅れたのは、これが影響したのでしょうか。
試合経過)
1R)一回り大きいムンギア
両選手がリング上で対峙すると、数字以上にムンギアが大きく見えます。ムンギアがじわじわと前に出て、プレッシャーをかけますが、アロティの動きが速く、なかなかパンチが出ません。アロティは下がりながら、小さく左ジャブを突き、コンパクトにパンチを放ってきます。
しかし、中盤にムンギアがアロティをロープに詰めて放った、左右のパンチは迫力満点でしたね。その後もムンギアがアロティを追い回しますが、なかなかつかまりません。
2R)アロティの動きが速い
ムンギアがプレッシャーを強めて、アロティを追います。しかし、アロティもムンギアの左フックの打ち終わりに右フックをカウンターでヒット。ムンギアの打ち終わりを狙っています。
ムンギアは強引にパンチを放ちますが、振りが大きく、速い動きのアロティになかなかヒットしません。ムンギアの左フックは、アロティに読まれている感じです。
3R)ムンギアのボディブローでアロティがダウン
ムンギアは体をゆすって、前に出ます。そして、ようやく左ジャブが出るようになりました。ムンギアはボディへ狙いを定め、アロティの足を止める作戦のようですね。今まで顔面へ打っていた左フックが、アロティのボディをとらえ始めます。
2分過ぎ、ムンギアがアロティをコーナーに詰め連打を浴びせると、アロティはあっけなくコーナーにうずくまります。左フックがボディにヒットしたようです。
この後、ムンギアのローブローで試合が中断し、再開後にムンギアが連打を浴びせ、ゴングと同時にムンギアの左フックのダブルがアロティにヒットし、飛ばされるようにアロティがダウンします。
4R)パワーでねじ伏せるムンギア
ムンギアは左ジャブを突きながら、プレッシャーをかけます。アロティの動きはそれほどダメージを感じさせませんね。しかし、ムンギアがアロティをロープに詰めて、左フックのボディブローをヒットすると、アロティが少し腰を落とします。やはりボディは相当効いているようです。
終盤、コーナーに詰めて、ムンギアが連打を浴びせると、アロティは別のコーナーまで逃げて、膝をつきます。何とか立ってきたアロティですが、コーナーがギブアップを要請し、ムンギアが4RTKO勝ちで、5度目の防衛に成功しました。
2試合ぶりのKO勝利ですね。力の差が相当あったと思います。ムンギアもそれを承知で、やや強引に力任せに倒しに行ったのでしょう。相変わらず、不用意にパンチをもらっていました。