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リッキ―・バーンズ(イギリス)VSキリル・リレル(ベラルーシ)
WBA世界Sライト級タイトルマッチ(2016年10月7日)
(出典:WOWOW)
バーンズは46戦40勝14KO5敗1分け、33歳。
地元スコットランドでは絶大な人気を誇っていますが、デジャン・ズラチカニン(モンテネグロ)やテレンス・クロフォード(アメリカ)には負けています。これといった武器もない地味なボクサーで、私は好きにはなれません。
キリル・レリクは21戦全勝19KO、26歳。素晴らしい戦績ですね。とりあえず、「お手並み拝見」といきますか。
地盤はレリクが攻勢
レリクが前に出て、左右フックを打ち込み、バーンズはジャブで距離をとり、堅いブロックでレリクの強打をカバーします。
レリクは手数は多いのですが、いかんせんパンチの精度が悪く、クリーンヒットはほとんどありません。
しかし、バーンズは3回のボディブロー以外は目立ったパンチはありません。
中盤はバーンズがペースを握る
レリクはボディが効いたのか、中盤は少し失速気味で、パンチも流れて体制を崩す場面が多くなります。
バーンズは初回からほとんどペースを崩さず、下がりながらもバランスがいいので、クリーンヒットが少しずつ増えてきました。
8回、9回は、バーンズの右ストレートが、かなりレリクの顔面をとらえていました。
終盤はレリクが猛追
10ラウンドからレリクが勝負をかけたように、強引に打って出ます。相変わらずクリーンヒットは少ないのですが、それでも左フックでバーンズがぐらつく場面もありました。
11ラウンドに入るとバーンズに明らかな疲れが見え始め、レリクはボディが効いているものの、しぶとくバーンズを追いかけます。
12ラウンドにバーンズがスリップダウンをしましたが、これはダウンにとっても良かったのでは、と思うほど、バーンズはよれよれでした。
(これは明らかにダウンでしょう。)
私の採点は114-114のドロー。
しかし、公式ジャッジは3-0(118-110、116-114、116-114)でバーンズの初防衛を支持していました。
しかし、118-110はないでしょう。
バーンズも魅力のないボクサーですが、レリクも戦績ほどパンチ力はないですね。
クリーンヒットの少ない退屈な12ラウンドでしたね。
スコット・カードル(イギリス)VSケビン・フーパー(イギリス)
イギリスライト級タイトルマッチ(2016年10月7日)
(出典:WOWOW)
カードルは21戦20勝6KO1分け、27歳。イギリス期待のホープで国内のライト級チャンピオンです。しかし、ライト級にしてはKOがあまりにも少ないのが気になります。
フーパーは22戦19勝4KO3敗。こちらは何とも情けないKO率です。ところで、イギリスは国内ランキングがないんですね。
もう始まる前から、判定決着確定みたいな両者の戦績です
カードルはジャブをあまり打たない、フック系のボクサーで、ガードが低く、勘の良さでパンチをかわすタイプです。
右フックのカウンターが速いですね。
避ける勘はよさそうですが、距離の測定が悪く、当てる勘の方ははダメです。パンチの打ち方が雑です。
これではやっぱりKO決着は無理かな、と思い始めた5ラウンドにカードルの右ボディブローがヒットし、フーパーは結構ダメージを被ったようです。
(このボディブローが見た目以上にダメージを与えたようです)
6ラウンド、ボディが効いてガードが下がったところへ、これ以上ないタイミングでカードルの右カウンターがヒットし、フーパーが大きくぐらつきました。
そして、カードルが連打を畳みかけたら、レフリーがすぐにストップしました。
(見事なタイミングでカウンターが決まりました)
あっけない幕切れでした。
いくらパンチ力がなくても、あれだけきれいにカウンターが決まれば、倒せるでしょう。しかし、あの1発で倒せないところが、カードルのパンチ力のなさの証明かもしれません。
カードルはもう少し左ジャブを多用すれば、距離の測定もでき、パンチの精度が上がると思います。そうすれば、KO率も上がっていくでしょうけど、いずれにしても魅力のないボクサーですね。