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荒川仁人(ワタナベ)VSアドニス・アゲロ(フィリピン)
62、5kg契約10回戦(2017年12月2日)
(出典:日テレG+)
荒川は37戦30勝18KO6敗1分け、35歳。WBOアジアパシフィックライト級王者で、WBO世界4位。
私が荒川の試合を見たのは、多分ホルヘ・リナレスとWBC世界ライト級挑戦者決定戦を行ったとき以来ですから、4年半ぶりとなりますね。
全くいいところなくリナレスに完敗し、なぜこんなレベルの低いボクサーが世界を狙っているのか不思議でした。スピードもパワーもテクニックも何もなく、ただ打たれ強いだけでした。
その後加藤善孝や内藤律樹にも負け、もう引退かなと思っていましたが、いつの間にやらWBOアジア王者になり、WBOの4位にまで返り咲いているのですから、驚きです。
ワタナベシムに移籍して、少しはましになっているのか楽しみに観戦しましたが…。
確かに左ジャブはよく出る
序盤は荒川の左ジャブで距離をキープし、アゲロを中に入らせませんでした。
アゲロも前に出るものの、手数が少なく、荒川が好スタート切ったといえるでしょう。
しかし、アゲロが少しプレッシャーを強めると、荒川の左ジャブでは前進を止めることが出来ず、少しずつ押され気味になります。
荒川の左ジャブは数こそ多いのですが、ただ前に出すだけで、威力もスピードもありません。右のパンチはもっと悲惨です。
しかもボクシングが単調で、中盤は完全にアゲロにペースを握られていました。
アゲロのしつこいボディブローも、荒川を苦しめます。
終盤盛り返す
8ラウンドぐらいから、荒川が少し強めにパンチを打つようになり、ようやくアゲロの前進を捌けるようになってきます。
荒川の距離で戦えるようになると、パンチもヒットし出し、アゲロのプレッシャーも弱まってきました。
そして、荒川は動きも良くなり、手数も増えてきました。スタミナは相変わらずあるようです。
判定は3-0(97-93,97-93,98-93)で荒川の勝ち。
ちなみに、私の採点は96-94。終盤の3ラウンドで何とか判定をものにしたように見えました。
荒川はリナレスに全くいいところなく敗れたころから、ほとんど変わっていませんね。
スタミナはあるようですが、左右のパンチは手数こそ多いものの、交互に前に突き出すような感じで、スピードも威力も全くありません。
テリー・フラナガンがWBOライト級タイトルを返上し、S・ライト級へ階級を上げたため、WBOのライト級のタイトルが空位になっています。
4位にランクされている荒川にも世界戦のチャンスが回ってくる可能性があるでしょうが、絶対に世界を獲るのは無理!と断言します。
荒川はおそらくとても練習熱心なんだと思いますが、ボクシングの才能はありませんね。不器用すぎます。