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中野幹士(帝拳)VSアルビン・ユロング(フィリピン)
フェザー級6回戦(2019年7月6日)
中野は、2戦全勝2KO,23歳。サウスポー。
アマチュア7冠のエリート。昨年10月にプロデビューしたばかりです。右でも左でも倒せる”鉄の拳”の持ち主だそうですよ。
ユロングは、14戦12勝3KO2敗、23歳。フィリピンS・フェザー級10位。
豪快な倒しっぷり!
初回は、まだ様子見で距離を図っている感じです。お互いボディーブローをヒット。ユロングもなかなか重そうなパンチを放ちます。
2ラウンドに入ると、中野のいかにも重そうなパンチが、ユロングのボディそして顔面にヒットします。そして、ユロングのパンチは素早いボディワークで外します。しかし、驚いたのはその後です。1分過ぎにロープに詰めて左右のパンチを打ちこむと、ユロングはヨロヨロとコーナーに下がり、さらに中野が豪快なパンチを叩き込むと、ユロングはコーナーに座り込んでダウン。レフリーがカウントを始めますが、ユロングは完全に戦意喪失です。コーナーに詰めたときのパンチの破壊力は、「けた違い」ですね。パワーでねじ伏せたKO勝ち、という感じです。こんなパワフルな倒し屋は久しぶりに見ました。
いや~楽しみな選手が出てきましたよ。帝拳ジムの次の時代を担うボクサーと言われているようですね。これは、マッチメイクに苦労しそうな気がします。
この日に登場した他の選手をピックアップ
アマチュア62連勝の記録を持つ「超」エリート 李健太(帝拳)
李健太(帝拳)VSマーロン・パニアモーガン(フィリピン)・S・ライト級6回戦
李は、1戦全勝1KO,23歳。180㎝の長身サウスポー。
パニアモーガンは、10戦9勝5KO1分け、フィリピンS・ライト級13位。
こちらも楽しみな一戦でしたが、背の低いパニアモーガンを持て余し、消化不良の判定勝利に終わりました。パンチの当て勘が今一つですし、パニアモーガンの変則パンチを不用意のもらうなど、課題の残る試合でしたね。
全勝の倒し屋がベテラン日本ランカーと対戦 梶颯(帝拳)
レイ・オライス(FLARE山上)VS梶颯(帝国)・S・フライ級8回戦
梶は、12戦全勝9KO、21歳。日本S・フライ級5位。
オライスは、40戦20勝5KO18敗2分け、34歳。日本S・フライ級2位。
こちらは、期待した梶の豪打は不発。オライスのカウンターで腰を落とすなど、パンチの的確性ではオライス、前に出て手数では梶という展開でした。判定は2-1のスプリットデシジョンで、梶がかろうじて全勝をキープしました。ベテランに翻弄された一戦でしたね。「わしボク」は負けたと思いました。
同門の末吉大を追いかける 正木脩也(帝拳)
正木脩也(帝拳)VSアル・トヨゴン(フィリピン)・S・フェザー級10回戦
正木は13戦12勝5KO1敗、25歳。日本S・フェザー級2位。
トヨゴンは、14戦10勝6KO3敗1分け、21歳。
スピードもテクニックも申し分ないのですが、やはりパンチが非力ですね。この日も終始ペースを握りながら、倒すことが出来ませんでした。三代に負けてからこれで4連続判定勝ちです。
世界タイトル挑戦者決定戦のはずが… 尾川堅一(帝拳)
尾川堅一(帝拳)VSゲレン・メデュラ(フィリピン)・S・フェザー級10回戦
尾川は、25戦23勝17KO1敗1NC、31歳。IBF世界S・フェザー級4位。
メデュラは、16戦10勝6KO5敗1分け、23歳。フィリピンフェザー級12位。
本来なら、世界タイトル挑戦者決定戦の予定でしたが、相手選手が来日できなくなり、急きょノンタイトル戦に変更となりました。
左ジャブはスピードがあり、2Rには左ボディブローで、3Rにもコーナーに詰めて右フックでダウンを奪いました。2年ぶりのKO勝利を期待されましたが、倒しに行った4ラウンドに最後まで粘られ、結局、相手の4R終了ギブアップという、ちょっと不本意なTKO勝ちに終わってしまいました。しかし、動きは全盛期の尾川に戻った感じがしました。