目次
井岡一翔VSキービン・ララ(ニカラグア)
WBA世界フライ級タイトルマッチ(2016年7月20日)
(出典:MBS)
井岡は20戦19勝11KO1敗、27歳。これが3度目の防衛戦です。
キービン・ララは20戦18勝6KO1敗1分け、21歳。WBA6位です。
ララは好戦的なタフファイターで体が柔らかく、意外と戦いにくい相手でした。
序盤はボディで応戦
積極的に前に出て、思い切りよくパンチを振ってくるララに対して、井岡は得意の左ボディで応戦します。
クリーンヒットは井岡が上ですが、明らかにララのプレッシャーに押し込まれています。
(結構、序盤はララのパンチを被弾)
そして、いろいろな角度からパンチを打ってくるララの攻撃の仕方が、どことなくロマゴンに似ています。
4ラウンドを終わって、なんとジャッジの採点は2-1でララの攻勢を評価していました。
中盤から乱打戦に付き合う
いつもの井岡なら左ジャブを多用し、自分の距離で戦うのですが、この日は接近して、ララとの打ち合いに応戦しました。
恐らく、ララのパンチがそれほど強くないと判断したのでしょう。
左ボディを軸にガードが下がったところへ左右のパンチを決め、ようやく試合の主導権を支配したようです。
ララは手数は相変わらずですが、パンチの精度が悪く、井岡は接近してパンチが交錯する距離でも、巧みに相手のパンチをかわしていました。
(徐々に井岡のクリーンヒットが増えてきました)
しかし、井岡は結構いいパンチをヒットしながらも、なかなかララの動きも手数も止めることが出来ません。
ララは終盤、明らかに動きが悪くなる
9ラウンドあたりから、ボディもようやく効いてきたようで、ララのプレッシャーが弱くなり、ガードが下がったところへ、井岡の顔面へのパンチが面白いようにヒットし出します。
ララのパンチのスピードも明らかに落ちてきました。
そして10ラウンド終盤にようやく顔面へのワンツーで、ダウンを奪い、ララはストップ負け寸前までいきましたが、この回はゴングに救われました。
(これは立てないかなと思いましたが)
当然、11ラウンドは完全に倒しに行きました。井岡のパンチが軽いのか、相当クリーンヒットを畳みかけましたが、なかなか倒れませんでした。
最後はボディから顔面へパンチを畳みかけ、ようやくララが倒れ、カウントアウト。
(結局、左ボディブローが決め手でした)
(カウント9、10がやたらと速かったような気がしましたが)
次は、ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)ですね。
ちなみに、この日の視聴率は14、2%だったそうです。
和氣慎吾VSジョナタン・グスマン(ドミニカ共和国)
IBF世界Sバンタム級王座決定戦(2016年7月20日)
(出典:MBS)
1位の和氣は、29戦20勝12KO4敗2分け、28歳のサウスポー。
2位のグスマンは22戦21勝21KO1NC、27歳のハードヒッターです。
グスマンのパーフェクトレコードは作られた感があり、対戦相手の半数が4回戦レベルで、手応えのある相手との対戦は、ほぼこの1年ぐらいしか経験がありません。
小國以載をKOして以来、快進撃を続ける和氣が、グスマンの化けの皮をはがしてくれるに違いないと、信じて疑いませんでした。
ところがグスマンの21KOは本物でした。
初回からパワーの違いがはっきり判りました。
プレッシャーをかけて豪快なパンチを振るうグスマンに対して、和氣は恐怖感を感じたのか、腕が縮んでパンチが伸びず、全くグスマンに届きません。
まさかここまで差があるとは思いませんでした。
パンチ力はもちろん、体幹の強さ、パワーは和氣を圧倒していましたし、和氣が唯一上回ると思われたスピードですら、私はグスマンが上だと思いました。
勝敗を決定づけたのは2ラウンド。
何よりバッティングが痛かったですね。この負傷が最後まで大きく影響しました。
そして、強烈な右ストレートから左ストレートをもらい、この回2度目のダウンを喫しましたが、これはかなりダメージがありました。
(2ラウンドの、このワンツーは効きました)
3ラウンドは少し和氣の体がほぐれて、動きが良くなった気がしますが、ラウンドの終盤に右フックをひっかけ気味にもらい、この試合、4度目のダウン。
(左ジャブも左フックも速い)
和氣はグスマンのパンチが見えているようですが、どうしてもパワーに押され、いきなりの右をよけきれず、4ラウンドにまたもやダウンです。
この時点で、もう和氣の陣営はストップしても良かった思います。
後半は展開が少し変わりましたが
しかし、和氣もここから頑張りましたね。勇気を振り絞って左ストレートを何度かヒットし、グスマンが下がる場面もありましたが、攻め込むとグスマンの逆襲にあってしまいます。
(7ラウンドのこの左が今日一番でした)
後半に入ると、グスマンが休みながら、右を狙う作戦に変更。さすがにグスマンに疲れが見えます。
前に出た和氣の左ストレートで、グスマンの右目が腫れ始めました。
しかし、グスマンは必ず倍以上のパンチを打ち返してきます。
8ラウンドぐらいから、なかなか倒れない和氣に対して、グスマンは少し力をセーブして、判定勝利に切り替えた感じがしました。
前に出るのは、和氣。グスマンは下がりながら、カウンター狙いです。
(和氣の左が何度かヒットし、グスマンの右目をを腫らしましたが)
それにしても和氣のファイティングスピリットは素晴らしいですね。
少しずつですが盛り返してきました。
しかし、判定では勝てません。危険を冒して倒しにおかなければなりません。
口を開けて息をするグスマンですが、勝負どころでは怖いパンチを振ってきます。
結局続行不可能と判断したレフリーが、11ラウンドにストップしました。
(この傷では仕方がないですね)