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ダニエル・ローマン(アメリカ)VS松本亮(大橋)
WBA世界S・バンタム級タイトルマッチ(2018年2月28日)
(出典:BSフジ)
ダニエル・ローマンは26戦23勝9KO2敗1分け、27歳。
久保隼にTKO勝ちして、WBAのタイトルを獲得し、これは初防衛戦となります。
松本は22戦21勝19KO1敗、24歳。WBA11位。
久保にTKO勝ちしたとはいえ、ローマンのKO率を見ると、さほど怖さはないかな、と思いました。
前に出るパワーとしつこい連打を捌くのは難しいでしょうが、松本の右強打がヒットすればKOチャンスもあるかもしれない、と。
しかし、甘い予想でしたね。
スピードが全く違う
松本の右ストレートはこんなに遅かったかな、と感じました。
左ジャブの差し合いも完全にローマンに軍配が上がります。何度も松本の顔が跳ね上がりました。
体の俊敏性もローマンが上、パンチの回転もローマンが上。体幹も背の低いローマンの方がかなり上でしたね。
肝心の松本パンチにどうも迫力が感じられません。そして、体に力が感じられませんね。
序盤から早くもローマンにペースを握られ、松本のパンチは空を切るばかりです。
たまにカウンターでヒットしますが、ローマンはヘッドスリップでパンチを殺すのが上手いですね。クリーンヒットしているように見えますが、ダメージは全く感じられません。
中盤からは一方的展開
ガンガン前に出てパンチを放ってくるローマンに、松本は完全にパワー負けしています。ローマンのボディブローも再三ヒットし、松本を苦しめます。
久保もこのボディブローでやられましたね。
とにかく松本の手数が少なく、先にパンチを放つのはローマン。松本は後手後手に回ります。
6ラウンドのローマンの右フックがダブルで松本の顎をとらえ、少しぐらつきましたが、ここはゴングに救われました。
7ラウンドは、明らかにローマンが倒しに来ましたね。
とにかく上下の打ち分けが上手いですね。ボクシングのリズムがいいです。
松本のガードの開いているところへホントに憎たらしいほどパンチをヒットしてきます。
ローマンのパンチの雨にさらされ、松本は手が出ません。もう少しローマンにパンチ力があれば倒されていたでしょう。
終盤はさすがに打ち疲れたローマンの手数が減りましたが、松本はここで反撃に出ることが出来ず、ローマンは休みながら、隙を見てパンチを放ってきて、最後までペースを譲りませんでした。
最後まで立っていた松本は立派ですが、私は途中でセコンドが止めても良かったと思います。これを最後まで見ているのは辛かったですね。
3-0(118-110、119-109、119-109)の大差で、ローマンが初防衛に成功しました。
松本は日本の上位ランカーと対戦して、地力をつける必要がありますね。