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尾川堅一VS杉田聖
日本Sフェザー級タイトルマッチ(2016年4月2日)
(出典:日テレG+)
今年のチャンピオンカーニバルの注目の一戦です。
「尾川とKOはセット」と公言するチャンピオンの尾川。一方の杉田も右にKOパンチを秘めています。
杉田の構えは基本に忠実で、フィジカル面でも尾川に引けを取りません。
序盤はスピードに勝る尾川が左ジャブで試合をコントロールしますが、杉田も高くて堅いガードで応戦します。
試合が動いたのは3ラウンド。尾川の必殺の右ストレートが杉田の顔面をとらえました。これはかなりダメージがあったようですが、杉田は何とかこの回をしのぎました。
(3ラウンドは尾川の右が再三ヒット)
KOも時間の問題かと思われましたが、4ラウンドに入ると杉田は尾川の右を読んで、カウンターの右を合わせてきました。
このラウンドは尾川の右が当たらなくなり、逆に杉田の右の方がヒットしていましたね。
攻めあぐむ尾川
尾川の右を杉田に完全に読まれ、打ち終わりを狙って右を打ってくる杉田のパンチを警戒して尾川の手数が減ってきます。
5ラウンドを終わっての採点は1~5ポイント差と大きく割れました。
ポイントをリードされた杉田は、KOを意識して思い切って右ストレートを合わせてきます。
この選手、なかなかの実力の持ち主です。度胸もあります。
尾川も右ストレートをボディに打ったりして突破口を探りますが、杉田も軽快なフットワークを使いワンツーで応戦し、一歩も引きません。
そして、「どうやらこの試合は判定かな~」と思った9ラウンドに、ようやく尾川の右強打がさく裂しました。
右ストレートがジャストミートし、相手の右をかわし、左の返しのフックでダウンを奪いました。
最初の右ストレートがかなり効いたのでしょう。
辛うじて立ってきた杉田ですが足元がおぼつかず、セコンドからタオルが投入されました。
(この右ストレートは強烈でしたね)
負けたとはいえ、杉田はなかなかいい選手ですね。おそらく近いうちに日本タイトルを手にすると思いますよ。
尾川は試合後しきりに反省していましたが、今日は相手が強かったので仕方がないですね。それでも最後は倒したのですから、良しとしましよう。
石本康隆VS藤原陽介
日本Sバンタム級タイトルマッチ
(出典:日テレG+)
この日のアンダーカードは同じくチャンピオンカーニバルの日本タイトル戦です。
こちらはチャンピオンの石本が一枚も二枚も上手でしたね。
2ラウンドの石本の右ストレートをテンプルに受けて藤原があっさりダウン。これはちょっともろすぎますね。
しかも、藤原は右を打つとき体が流れるので、そこで攻撃が止まってしまう欠点があります。せっかくいい左ジャブを打つのにもったいないですね。
石本のパンチはそれほどスピード感はないものの、コンパクトな打ち方で、左ジャブも的確にヒットしますが、右ストレートの当て勘はさすがです。
4ラウンドからは完全に石本がペースを握ったように見えました。
しかし、7ラウンド、ほとんど当たらなかった藤原の右ストレートがクリーンヒットしました。これは効きましたね。
これでペースが藤原に傾くかと思えましたが、9ラウンド。今度は石本が右ストレートから右フックのダブルでまたダウンを奪いました。
これはかなりダメージがあったようですが、石本が強引に右を狙いすぎてフィニッシュを逃しました。
判定は3-0(3者とも98-90)の大差で石本が防衛に成功しました。