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ジャレット・ハード(アメリカ)VSジュリアン・ウィリアムス(アメリカ)
WBA・IBF世界S・ウェルター級タイトルマッチ(2019年5月11日)
ハードは、23戦全勝16KO、28歳。身長185㎝、リーチ194㎝。
2団体統一王者のスーパースター候補です。
ウィリアムスは、29戦26勝16KO1敗1分け、1NC、29歳。IBF1位。身長180㎝、リーチ184㎝。
1敗は、2016年にジャーマル・チャーロのIBFタイトルに挑戦し、5RKO負けしたものです。その後4連勝して、世界再挑戦のチャンスをつかみましたが、ハードが相手では、ウィリアムスはちょっと荷が重いでしょう。
ウィリアムスがダウンを奪いペースを握る
ウィリアムスが序盤から積極的なボクシングで、スロースターターのハードを圧倒します。無造作にウィリアムスのパンチを被弾するハードが、2ラウンドに打ち下ろしの左フックでダウンします。
その後も接近戦で効果的なウィリアムスのアッパーが再三ヒットし、鈍い動きのハードのパンチは大振りで、空を切るばかり。スピードもディフェンスもパンチの的確性もウィリアムスが圧倒します。
中盤、ペースを取り戻そうとハードが前に出てプレッシャーをかけますが、ウィリアムスの巧みなボディワークに阻まれ、ラウンド中盤になると、ウィリアムスが的確なパンチで反撃。とにかくウィリアムスの左右のアッパーが、面白いようにハードの顎を跳ね上げます。
最後までウィリアムスのスタミナは切れず
解説の飯田覚士さんは「ちょっとウィリアムスは飛ばしすぎですね。」スタミナが切れたときのハードの反撃を危惧していましたが、一向にウィリアムスの動きは衰える気配はありません。
ラウンド序盤は、ハードがプレッシャーをかけますが、パンチは空を切るばかりで、接近戦でウィリアムスの的確なショートパンチがラウンドを支配します。特にアッパーに対しては、ハードは完全に無防備で、ほとんどのパンチを被弾しています。
距離もペースも支配したウィリアムスが、うまく休みながら最後までスタミナを切らすことなく、ハードの反撃をほぼシャットアウトします。そして、隙を見て的確なショートパンチをヒットさせ最後までハードにペースを譲らず、完璧なボクシングで最終ラウンドのゴングを聞きました。
判定は3-0(116-111、115-112,115-112)と思ったほど点差は開きませんでしたが、ウィリアムスの完勝だったのは間違いまりません。ハードは全くいいところなく、初黒星を喫しました。しかし、この採点はちょっと納得がいきませんね。「わしボク」は119-108でウィリアムスの大差判定勝ちでした。
ハードは、階級を上げるのでしょうか。体格は立派ですが、足が細すぎる気がします。終盤はウィリアムスのパンチで、足どりが怪しくなっていましたね。下半身の強化が今後の課題でしょう。
ウィリアムスは、初防衛戦で真価を問われることになります。