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カルロス・クアドラス(メキシコ/帝拳)VSファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)
WBC世界S・フライ級挑戦者決定戦(2017年9月10日)
(出典:WOWOW)
クアドラスは38戦36勝27KO1敗1分け、WBC2位。ローマン・ゴンザレスに判定負けして、タイトルを失っています。29歳。
エストラーダは37戦35勝25KO2敗、WBC3位。こちらはライトフライ級王者だったロマゴンに挑戦して、判定で敗れています。27歳。
勝者が、シーサケットとロマゴンの勝者に挑戦する権利を得ます。
両者、戦績がよく似ていますね。お互い高いKO率を誇っていますが、実際のパンチ力ではエストラーダが圧倒的に上でしょう。
前半は互角
回転が速くて派手なパンチを放つクアドラスに対して、エストラーダはコンパクトで的確なパンチを打ちます。
ヒット率だけを取れば、圧倒的にエストラーダですね。
ただ大振りでパワフルに振るクアドラスのパンチの方が見栄えはいいでしょう。
手数も序盤はクアドラスガ上回っていました。
しかし、クアドラスはパンチの打ち方が雑ですね。ほとんどクリーンヒットしていません。そして、ガードが低く、打ち終わりに、エストラーダの正確なパンチヒットします。
しかし、ジャッジはクアドラスの派手なパンチを評価していたようです。
エストラーダのコンビネーションブローが流れを変える
中盤からエストラーダも少し強めに出てきて、手数もかなり増えてきました。
7ラウンドに放ったコンビネーションブローは、クアドラスにかなりダメージを与えたようです。
(ワンツーとヒットし、三発目の右ストレートはクアドラスにかなりダメージを与えました)
流れがエストラーダに傾きかけた9ラウンド。クアドラスがペースを取り戻そうと手数を増やし、回転の速いパンチで、エストラーダの攻勢を少し止めたように見えました。
勝負を決めた10ラウンドのダウン
しかし、少し無理をしたのか、10ラウンドはクアドラスの手数が減り、エストラーダの反撃に合います。
そして、少し押され気味のクアドラスが少し集中力を欠いたところへ、エストラーダのワンツーがヒットし、ダウンを奪われました。
(この右ストレートはまともにクアドラスの顎をとらえました)
(クアドラスのダウンは初めて見ましたね)
まだ、1分40秒ほど残っていましたら、当然エストラーダが倒しに来ます。
しかし、ここでクアドラスが足を止めて応戦します。さすがに底力があります。
エストラーダは慎重ですね。クアドラスにまだ力が残っていると判断し、無理に攻め立てません。
11ラウンドもフットワークの足がばたつき、ダメージの残るクアドラスに、エストラーダが的確にパンチをヒットし、完全に勝利を手中にした感じです。
最終ラウンドもスタミナの切れたクアドラスに、エストラーダのコンパクトなパンチがヒットし、クアドラスの危ない場面もありましたが、さすが元チャンピオンですね。
クアドラスも、最後の力を振り絞って応戦します。
マイケル・バッファーが大失態?
判定はジャッジ3者とも114-113で、クアドラスの勝利と、発表されました。
ちなみに私の採点は、116-111でエストラーダの勝ちでした。
納得のいかない判定でしたが、仕方がありません。
ところが、リングサイドが騒がしいのです。
集計係みたいな人が、ジャッジペーパーの集計表を振って、必死でアピールしています。
なんと、どうやらマイケル・バッファーが間違ってコールしたようです。
実際にはエストラーダの勝ちでした。
これは物議をかもしそうですね。再戦かもしれません。