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伊藤雅雪(伴流)VSグレン・エンテリナ(フィリピン)
60、5キロ契約10回戦(2017年9月2日)
(出典:日テレG+)
伊藤は23戦21勝10KO1敗1分け、26歳。
東洋太平洋S・フェザー級王者、そしてアジアパシフィックの王者でもあります。
WBC11位、IBF11位、WBO3位にランクされ、内山高志、三浦隆司が引退した現在、尾川堅一とともに日本のS・フェザー級を牽引する存在です。
エンテリナは14戦11勝8KO2敗1分け、22歳。フィリピンS・フェザー級5位。
高いKO率を誇るフィリピンのホープです。
パワーのあるエンテリナ
S・フェザー級のリミットより1,5キロ多い、キャッチウエイトで行われます。
そのせいか、伊藤は少し余裕のある体つきに見えます。
伊藤の左ジャブはそれほどスピード感はなく、むしろエンテリナのパワフルなパンチの方が目を引きます。
左アッパーが伊藤の顎をかすめ、ヒヤッとさせます。侮れない相手ですよ。
伊藤の左は距離を測る感じで、どうも不用意に左を伸ばす感じが気になります。
エンテリナはその左の打ち終わりを狙って、左フックを振ってきます。かなり怖いパンチです。
相手を見切った感じの伊藤
しかし、3ラウンドあたりから、伊藤の動きに余裕が出てきて、エンテリナのパンチが見えてきた感じがします。
伊藤の押す感じの左ジャブは少し気になりますが、カウンター気味に放つ右ストレートはスピードがあります。
少しずつタイミングがあってきて、エンテリナの顎を打ち抜きます。
(伊藤の右ストレートのタイミングが合ってきました)
伊藤の右は一級品
伊藤は、4ラウンドになってようやく速い左ジャブが出るようになってきました。
それとともに右ストレートもヒットし出します。
左ボディもいいですね。エンテリナは少し動きが硬い感じですが、相変わらずパワフルにパンチを振ってきます。しかし、伊藤はほぼこのパンチは見切っていますね。
そして、右ストレートの3連発でついにダウンを奪いました。
(右フックから返しの左)
(そして右3連発でとどめ)
5ラウンドは少し右を狙いすぎて、左ジャブが減って右も当たらなくなります。
圧巻だったのは6ラウンドの右ストレート。この一発でエンテリナのマウスピースが吹っ飛びました。
(この右ストレートは強烈でした)
しかし、エンテリナはタフですね。ここからしばらく持ちこたえます。
ちょっと強引に攻める伊藤が、不用意にパンチもらう場面も。
しかし、もうエンテリナのダメージは明白で、右ストレートから連打で防戦一方になったところでレフリーがストップしました。
(ストップしなくでも倒れていたでしょう)
アマチュア経験のない伊藤ですが、目の良さは一級品ですね。相手のパンチの見切り方は十分世界レベルだと思います。
KOが少ないとはいえ、右のストレートはかなり威力を感じました。
ただ、少し右偏重型で、左ジャブが少ないのが気になります。
TKO負けした時の内山高志の左ジャブを思い出しました。
でも、今日の伊藤のボクシングは魅力的でしたね。尾川堅一より好きなタイプのボクサーです。
しかし、WBOのワシル・ロマチェンコを筆頭に、4団体の世界チャンピオンはなかなかの強敵ぞろいですね。
狙い目は、ロマチェンコが階級をあげて、タイトルを返上した時だと思います。