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ガニガン・ロペス(メキシコ)VS拳四朗(BMB)
WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ(2017年5月20日)
(出典:BSフジ)
ロペスは39戦33勝18KO6敗、35歳のサウスポーです。
木村悠さんから奪ったタイトルの2度目の防衛戦です。
拳四朗は9戦全勝5KO、25歳。右構えのオーソドックススタイルで、サウスポーとの対戦はこれが初めてです。
身長は全く同じ164.5㎝ですが、ロペスの方が大きく見えますね。
この試合、私は拳四朗が楽勝すると思っていました。
ロペスはサウスポーというだけで、ほかにこれといった武器はありません。テクニックもパンチ力もチャンピオンのレベルには達していないと思います。
拳四朗はこれが10戦目ですが、日本タイトルもOPBFタイトルも獲得し、満を持しての挑戦です。
序盤は拳四朗のペース
拳四朗は初回から左ジャブをついてロペスの動きをコントロールし、軽快なフットワークで早くも距離をつかんだ感じです。
ロペスが接近してきたら、右のカウンターを放ち、ロペスの左を封じます。
(序盤はこの右がタイミングよくヒットしていました)
これは楽勝かな、と思っていましたが、さすがチャンピオンですね。徐々にプレッシャーを強め、手数も増えてきました。
中盤はロペスの左にてこずる
ロペスはそれほど精度は高くないものの、手数が増えてきて、ラフなパンチに、拳四朗が徐々に押され気味になってきます。
そしてサウスポー―のいきなりの左にてこずり、拳四朗の手数が減ってきました。
7ラウンドにはこのロペスの左に気を取られて、右フックをあび、これはややダメージが感じられました。
(まさかの右フックに拳四朗は少しぐらつく)
8ラウンドに拳四朗がリセット
このままずるずると押し切られるのかと思いきや、さすが拳四朗。
左ジャブをついて距離を取り戻し、拳四朗の速いバックステップで、ロペスのパンチは届かなくなりました。
ペースを取り戻したのもつかの間、10ラウンドからロペスがまたギアを上げ、拳四朗が守勢に回ります。
一進一退の攻防が続き、ついに最終ラウンド迎えます。
私の採点ではここまでドロー。
ロペスは明らかに倒しに来ました。ラフなパンチを振り回し、ラウンド前半は拳四朗がパワー負けした感じです。
しかし、後半から拳四朗がボディブローで応戦します。これはかなりダメージがあったようで、ロペスのパンチに威力がなくなります。
この執拗なボディ攻撃をもっと早い回にやっておけば、もう少し楽に戦えたと思います。
ジャッジは3人ともこの回はロペスにポイントを与えていますが、私は拳四朗のボディブローのダメージを取ります。
したがって、115-113で拳四朗が辛くもタイトルを奪取。仮に最終回をロペスにつけたら、ドローです。
公式ジャッジは2-0(114-114、115-113、115-113)。
初防衛戦の相手はおなじみのペドロ・ゲバラ。
30戦27勝17KO2敗1分け、28歳。こちらはオーソドックススタイルなので、拳四朗にとってはやりやすいでしょう。
ただ、ロペスよりパンチ力がありますので、無謀な打ち合いは避け、距離感の良さを生かし、左ジャブとフットワークで試合をコントロールすることが重要です。