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アンソニー・ジョシュア(イギリス) 11RTKO ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)
WBA・IBF世界タイトルマッチ(2017年4月30日)
(出典:WOWOW)
私には大逆転に見えました。10ラウンドまでは、おそらくほとんどの人がクリチコの勝利を確信していたと思います。
それほどこの日のクリチコの調子は良かったですし、見直しました。
そして、ジョシュアは、自分の筋肉でこれほどスタミナを消耗するとは思わなかったでしょう。
クリチコの敗因は、ジョシュアにスタミナの回復の時間を与えすぎたことでしょう。
先に倒したのはジョシュア
6時にテレビをつけたら、もうまさに試合が始まろうとしています。
アンダーカードがあって、7時過ぎぐらいに始まると思っていたので、慌てました。
少し体重を増やしすぎた感じがするジョシュア。逆に見事に絞ってきたクリチコ。
どちらが「吉」と出るでしょうか。
心なしか、ジョシュアは少し動きが重く、いつものスピードがないように思います。
一方、クリチコはいつもよりはるかに素軽い動きです。
ジョシュアはクリチコの距離の意外に長いことに、結構苦労している感じですね。
まだ、距離をつかみかねているようです。
序盤はクリチコがペースを握っているように見えます。
しかし、ジョシュアが、5ラウンドに勝負に出ました。
やっぱり出てきましたね。左フックがクリチコの顎を打ち抜きました。これは効きましたね。
そのあと、ジョシュアの左右連打で、クリチコがダウンしました。いや~久しぶりににクリチコが倒れるところを見ました。
(この試合でダウン見られるとは思っていませんでしたの、びっくり)
やっぱりジョシュアはただものではないですね。「これで決まったかな」と思いました。
しかし、ダウンを奪ったジョシュアがびっくりするほどスタミナを消耗していました。それと、強引に攻めていって、クリチコの右フックをカウンターでもらったのも大きいと思います。立っているのが精いっぱいの状態で、足がほとんど動きません。
(このクリチコの右フックカウンターはかなりダメージがあったようです)
このラウンド、大ピンチに陥ったのは、なんとダウンを奪ったジョシュアでした。クリチコの猛反撃に、ダウン寸前まで追い込まれました。
少し体重を増やしすぎましたね。
クリチコが倒し返す
6ラウンドは予想通り、クリチコが倒しに来ました。
そして、今度はクリチコのワンツーが、完全に失速したジョシュアをきれいにとらえ、ダウンを奪い返しました。
(左はフェイントで、右を見事に打ち抜いています)
(ジョシュアのプロ初めての豪快なダウン)
ジョシュアのダメージは深刻です。それに加えてガス欠。
誰もがここで、クリチコの勝利を確信したでしょう。
それでもこのラウンドを何とかジョシュアはしのぎました。
ここで倒し切れなかったクリチコの詰めの甘さ、しのぎ切ったジョシュアのしぶとさが勝負の行方を大きく左右しました。
ペースは完全にクリチコ
失速したジョシュアは防戦一方。完全にクリチコがペースを握りました。
しかし、クリチコも無理はしません。ジョシュアのパンチにまだ力が残っていると判断したのでしょう。
そして、ラウンドを重ねるに従い、ジョシュアがスタミナを回復していきます。
しかし、まだ、反撃するまでには至りません。
恐らくポイントはクリチコがリードしていたと思います。
判定勝ち、がクリチコの脳裏をよぎったのでしょうか。
温存していた最後の力で勝負に出たジョシュア
11ラウンドにジョシュアが最後の勝負に出てきました。
クリチコは少し油断したのかもしれません。
ゴングが鳴っていきなり放ったジョシュアの右ストレートをまともにもらってしまいました。このパンチで膝が揺れて完全に効いていましたね。
(クリチコは油断したのか、いきなりの右ストレートをまともに喰いました)
そして、とどめは右アッパー。クリチコはダウン寸前に追い込まれ、連打をあびてクリチコがまたもやダウンしました。
(このアッパーは強烈でした。まだこんな力が残っていたのですね)
立てるか?ダメージは深刻ですが、立ってきました。
しかし、今度は、ジョシュアは追撃のスタミナを十分残していました。
連打でまたダウンを奪いました。もう立てない、と思うようなダウンでしたが、かろうじて立ち上がってきました。
(このラウンド、2度目のダウン。もう立てないだろと思いました)
そして、ジョシュアがもう一度ラッシュしたところで、レフリーが試合を止めました。
まだ、4月ですが、年間最高試合はこれで決まりでしょう。
倒したジョシュアもすごいですが、クリチコの頑張りは見事でした。
しかし、ジョシュア、再戦は嫌でしょうね。
さあ、次はデオンテイ・ワイルダーです。