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イーブ・ユリ―ス(カナダ)VSザッカリー・オチョワ(プエルトリコ)
Sライト級10回戦(2017年3月11日)
(出典:WOWOW)
ユリ―スは12戦全勝8KO、28歳、身長170㎝。
オチョワは16戦全勝7KO、24歳、身長175㎝。
オーソドックススタイルの全勝ホープ対決です。
ただ、Sライト級のホープにしては、どちらもKO率が若干低いのが気になりました。
戦前の私の印象としては、若いオチョワが判定で制するのかな、と思いました。
スピードもパワーもユリ―スが圧倒
序盤の約1分ほどはオチョワがいい左ジャブを打っていました。
これはユリ―スも入りにくいだろうなと思っていましたが、1ラウンドの中盤あたりから、ユリ―スがプレスを強め、オチョワの打ち終わりに右ストレートを叩き込み、スピードの差を見せ付けます。
2ラウンドからはユリ―スの独壇場となっていきます。
多少粗削りではありますが、ユリ―スがプレッシャーをかけ、オチョワをロープに詰め、思い切りボディブローを叩き込みます。
3ラウンドから一方的な展開に
スピードに勝るユリ―スは、3ラウンド辺りから、オチョワのパンチを完全に見切ったようで、試合運びに余裕が出てきます。
ただ、パンチの打ち方が少し雑で、特に右はややオープンブローでナックルが返っていません。
もう少し当て勘が良ければ、もっと早いラウンドでオチョワを仕留めていたでしょうね。
6ラウンドに倒しにかかる
6ラウンドに入ると、ユリ―スは明らかにKOを意識して、攻勢をかけます。
ただ、何度も言いますが、パンチの当て方が雑で、オチョワの急所にきれいにヒットしていません。
オチョワは完全に押されていますが、まだ深刻なダメージを負った感じではありません。
しかし、7ラウンドはもう一方的な展開で、ユリ―スがもう少しきれいにパンチをまとめればストップもあったと思います。
(もう滅多打ち。これだけ一方的だと、止めても良かったと思います)
さすがにこれだけパンチを浴びると、オチョワもかなり効いているのは明らかかでした。足の運びも怪しくなってきていました。
7ラウンドが終了し、オチョワがコーナーに戻ると、セコンドがオチョワにこれ以上の続行を許しませんでした。
(セコンドがギブアップを告げる)
このストップ妥当でしょう。
しかし、勝ったユリ―スも、キャリア12戦とはいえ、パンチの当て勘が悪すぎますね。身体能力が高いのは認めますが、パワーとスピードだけでは、世界ランカーを倒すのは難しいと思います。せめて右の打ち方だけでも修正しないと、世界では通用しません。
岡田博喜のようなテクニックを身に着ければ、怖い存在になるでしょうけど、まあ無理でしょうね。
世界ランカーに顔を出してくるかも知れませんが、まあチャンピオンの器ではありませんね。