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トニー・ハリソン(アメリカ)VSジャーメル・チャーロ(アメリカ)


WBC世界S・ウェルター級タイトルマッチ(2019年12月21日)
ハリソンは、30戦28勝21KO2敗、29歳。185cm(リーチ194cm)。
2017年にジャレット・ハードと王座を争い、9R逆転TKO負けでタイトル獲得に失敗しています。 そして、ちょうど1年前、まさかまさかの番狂わせで、チャーロからタイトルを獲得しています。
チャーロは、33戦32勝16KO1敗、29歳。WBC1位。180cm(リーチ185cm)。
1年前の対戦では、大苦戦はしたものの、小差で勝ったと思いました。今度は序盤から、積極的に攻勢をかけると思います。
試合経過)
2ラウンドにハリソンがダウン
予想通り、チャーロが序盤から思い切って打って出ます。ハリソンは、下がりながら左ジャブを突いて距離をとります。1ラウンド終盤は、ハリソンが長いワンツーで前に出ます。
2ラウンド中盤、チャーロが大振りのパンチを振り回し、ハリソンを追いつめます。そして、ラウンド終盤、チャーロの左がハリソンの顎をとらえ、ハリソンがダウンします。


ハリソンも応戦
3ラウンドは、開始早々チャーロが猛然と襲い掛かりますが、ちょっと攻撃が雑です。しかし、ハリソンもここを凌いで、前に出て反撃に転じます。チョーロはもっとコンパクトなパンチがほしいですね。(ジョー小泉さんと同感)ハリソンの左ボディブローが効果的です。
4ラウンドは、チャーロも左ジャブを突いて、立て直しを図ります。ハリソンはボディ攻撃で応戦します。チャーロもボディから上へパンチをヒット。少しパンチがコンパクトになってきましたね。
一進一退の攻防が続く
5ラウンドはハリソンが前に出ます。チャーロは下がりながら、ハリソンの打ち終わりにパンチを返します。ハリソンは長いワンツーをヒット。パンチの的確性では、ハリソン、パワーではチャーロ、という感じですね。
まさに一進一退の攻防が続きます。ハリソンがボディブローを打てば、すぐさまチャーロもワンツーを返します。先手を取っているのはハリソンですね。少しずつ、ハリソンがペースを取り戻してきています。
8ラウンドは、チャーロ、しかし、9ラウンドはハリソンの攻勢がポイントを取った感じで、ラウンドごとに形勢が逆転します。10ラウンドはまたチャーロが出てきます。
微妙な展開に終止符
ここまで、かなり採点は微妙ですよ。ダウンを奪ったチャーロも中盤はやや失速気味で、ポイントを失っています。後半はまさにシーソーゲーム。
11ラウンド序盤、チャーロがハリソンをロープに詰めて、連打を浴びせます。ハリソンは「効いてないよ」というジェスチャーをしますが、手が出なくなってきました。パンチにもスピードがなくなってきましたが、それでも何とか持ちこたえます。
そして、ラウンド中盤、ハリソンの左に合わせて、チャーロの左フックがカウンターでヒットし、ハリソンが大きく体勢を崩します。ロープに腰を落としかけたところへ、チャーロの止めの左フックでハリソンがついにダウン。



あわやリングの外に落ちるかと思われましたが、何とか持ちこたえます。すぐに立ってきたハリソンですが、ダメージはかなりありそうです。
チャーロが一気に襲い掛かります。ロープに腰を落とすようにして、滅多打ちに合い、ハリソンはまたロープの外に落ちかけるようにしてダウンします。これはストップでしょう。


いや、レフリーはカウントを開始しました。ハリソンはまたもやスクッと立ってきます。しかし、足取りの怪しいハリソンに、チャーロが連打を浴びせると、ついにレフリーが試合をストップしました。

ご存知カリフォルニアルールで、レフリーがストップした場合も、KOとなります。序盤にダウンを奪ったときは、楽勝かと思いましたが、なかなか厳しい展開でしたね。それでも、最後は3度倒して11RKOでリベンジしました。このあたりは、スター性抜群です。
しかし、この二人、もう一度やったら、わからないですよ。ハリソンは余裕があると、油断する癖がありますね。これさえなければ、結構安定感のあるボクサーなんですが。