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ダニー・ガルシア(アメリカ)VSショーン・ポーター(アメリカ)
WBC世界ウェルター級王座決定戦(2018年9月8日)
(出典:WOWOW)
ガルシアは、35戦34勝20KO1敗、30歳。WBC1位。
人気絶頂だったアミール・カーンを左フックで沈めて、一気に脚光を浴びました。あれから6年経ちましたが、いまだに世界のトップ戦線に君臨しています。
しかし、左フックは強豪相手だとほとんど通用していませんね。私は、ガルシアはもともとテクニックの選手だと思っていました。左フックはタイミングで倒すだけで、本来はいたって地味なボクサーですよ。
ポーターは、34戦28勝17KO2敗1分け、30歳。WBC2位。
2敗は、ケル・ブルックとキース・サーマンにいずれも僅差の判定で敗れたものです。
ポーターも一発のパンチ力はありませんね。スピードとディフェンスの選手です。出入りのフットワークもパッキャオにひけをとりません。パンチの後のヘッドバッドが一番の”得意パンチ”です。
この二人は「わしボク」の好きなボクサーではありませんが、ネームバリューはあるようです。
リングサイドの豪華な顔触れがそれを証明しています。
確認できた選手だけでも、ジャーマル・チャーロ(WBC暫定ミドル級王者)、キース・サーマン(WBCウェルター級王者)、エロール・スペンス(IBFウェルター級王者)、ジャーボンテイ・デービス(WBAスーパーフェザー級スーパー王者)、マイキー・ガルシア(WBC・IBFライト級王者)。
一番驚いたのは、デービスのでっぷり太った顔でしたね。ミドル級の選手みたいでしたよ。
序盤から激しいペース争い
お互いのパンチが交錯する距離で、きわどいタイミングでパンチを放ちますが、なかなかダメージブローをヒットできません。
両者とも、パンチをヒットすることより、パンチをディフェンスすることに重きを置いているため、ほとんどのパンチが空を切るか、堅いガードに阻まれてしまいます。
前半は、微妙なラウンドが続き、ラウンドごとにペースが目まぐるしく変わります。
ポーターが徐々にギアを上げる
中盤から、スピードで勝るポーターは、ボディブローを中心に手数を増やし、徐々にギアを上げてきました。
ポーターの速いステップと、突進して放つ第三のパンチ(頭突き)に戸惑っていたガルシアですが、8ラウンドあたりから、ボディブローで反撃に転じます。
やや飛ばしすぎたポーターは、失速気味。パンチがやや大振りなってきます。
しかし、終盤、また速いステップで盛り返し、やや強引にパンチを放ちますが、精度は今一つ。
ガルシアは、ポーターの速い動きと、ステップインの時の頭が気になって、やりにくそうでしたね。
予想した通り、最後までスリリングなシーンはなく、ダメージブローはほとんど空回りしたまま12ラウンドを消化しました。
判定はかなり微妙でしたが、3-0(116-112,115-113,115-113)でポーターがタイトルを獲得しました。
手数ではポーター、パンチの精度ではガルシア。まあ、再戦してもほぼ同じ展開になると思いますが、一度でいいから、二人のノーガードの打ち合いが見たいですね。
それにしても、ジャーボンテイ・デービスの太り方は、まるで現役を退いた選手みたいでした。S・フェザーに落とせるのか、「わしボク」にとってはこの日の試合で、一番気になったことですね。