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WBA世界Sバンタム級タイトルマッチ(2015年7月18日)スコット・クイッグ(イギリス)VSキコ・マルチネス(スペイン)
WOWOWエキサイトマッチ観戦記・46
■日本に縁のある両選手
この二人、レンドール・ムンロー(イギリス)と2度戦っています。ムンローは2010年10月に西岡さんのWBC世界Sバンタム級タイトルに挑戦して、大差判定負けした選手です。
クイッグは、1度は引き分けていますが、2度目でKO勝ちし、2012年11月にWBAの暫定Sバンタム級タイトルを獲得しています。(後に正規王者に昇格)
山中慎介に挑戦してKO負けした(2014年4月)シュテファーヌ・シャモエ(ベルギー)にも3RKO勝ちしています。
その後日本の大竹秀典を大差の判定で退けています。
一方のマルチネスはムンローに2度とも判定負けしています。
しかし、日本で長谷川穂積をKOした強打はまだ記憶に新しいところです。(2014年4月、IBF世界Sバンタム級タイトルマッチ)。
ところがこのマルチネス、よほどイギリス人と相性が悪いのか、長谷川戦のあと、イギリスでカール・フランプトン(イギリス)に大差の判定で敗れてタイトルを失っています。
■写真たっぷりでご覧ください
1ラウンドはマルチネスがどんどん前に出て、完全にペースを握ってとても調子のよい滑り出しでした。これが逆に油断を生んでしまったのでしょうね。
展開が一変したのは、クイッグの放った会心の右アッパーカット。
これでマルチネスの腰がガクッと落ち、あとの連打は付け足しでしたね。まず1回目のダウン。
もうダメージは深刻でした。
そこからのクイッグの攻めは圧巻でした。
特にクイッグの右はかなり破壊力がありますね。まあマルチネスはかなり足にきていましたから、浜田剛史さんがいつも言っている「何処を打っても効いてしまう状態」だったと思います。
右フック、右アッパーは完全にクリーンヒット、そしてとどめは会心の右フック。
これは強烈でしたね。案の定、マルチネスはカウント8でストップされました。(なぜ外国のレフリーは最後までカウントしないんでしょうね? ジョー小泉さんも苦言を呈していました。)
大竹と対戦した時はこれほどの強打者というより、頑丈な大竹をもてあまし、判定決着に作戦変更したような気がしました。思わず大竹を見直してしまいました。
■さあ次は誰と
ノニト・ドネアとの対戦が計画されているようです。これは楽しみなカードです。
全盛期を過ぎたドネアには少し荷が重いような気がしますが、個人的にはドネアにぜひ勝ってほしいですね。
Sバンタム級ではWBAスーパーチャンピオンのギジェルモ・リゴンド―そしてIBFの同国人カール・フランプトンがいます。このあたりの無敗対決もぜひ見たいですね。
まだ26歳です。177㎝の長身ですから、フィジカル面でもフェザー級で十分対応できると思います。おそらく将来的には階級を上げてくるでしょう。