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ユリオルキス・ガンボア(キューバ)VSレネ・アルバラード(ニカラグア)
ライト級10回戦(2017年3月11日)
(出典:WOWOW)
ガンボアはこの試合が1年3か月ぶり。26戦25勝17KO1敗、35歳。
アルバラードは31戦24勝16KO7敗、28歳。かつてはWBC5位にランクしていたこともあるようですが、はっきり言って全盛期を過ぎたボクサーです。
さて、問題はガンボアです。かつてはPFP(パウンド・フォー・パウンド)に名を連ねていたトップスターです。
2014年に、テレンス・クロフォードにまさかのTKOを負けを喫して、初頃星を喫しています。これが再起第三戦。
しかし、15か月のブランクと4ポンドも少ない前日計量を割り引いても、今日のガンボアは、もうあの強いガンボアとは程遠い、全く別人のボクサーでした。
あまりにも慎重なスタートのガンボア
初回にアルバラードのカウンターをもらい、ガンボアはそこからは極端に手数の少ない、慎重なボクシングを展開します。
時折、ガンボアらしい連打を見せますが、攻め込んだ時のガードが甘く、非常に危なっかしい感じがしました。
その後も、アルバラードの攻撃は完全にアウトボックスしましたが、ガンボアも手数が少なく、単発に終始します。会場からは絶えずブーイングが聞こえる始末です。
当て勘が悪く攻めあぐねるガンボア
独特のタイミングでパンチを放つアルバラードにてこずり、攻めあぐね、いたずらにラウンドを重ねるガンボアですが、それでも時折、速いステップインでパンチを放ち、アルバラードをたじろがせます。
しかし、慌ててて打っているのか、当て勘が悪く、パンチの打ち方が雑でクリーンヒットしません。しかも、体が前に流れて、バランスも良くありません。
(ピンポイントでパンチがヒットせずナックルも返っていない)
打たれもろいガンボアを露呈
それでもペースはガンボアが握っていました。
危なかったのは7ラウンドです。
アルバラードの右ストレートをまともに喰って、これが効いてしまいました。
(アルバラードのこの右ストレートは効きました)
なんとか、追撃を捌いたものの、回を追うごとに、不用意にパンチをもらう場面が少しずつ増えていたのは間違いまりません。
9ラウンドにようやくガンボアらしい攻撃が見られましたが、長くは続きません。
とにかく安全運転をキープし、決して無理をしません。
そしてそれが裏目に出て、最終ラウンドには、バランスを崩したところにパンチをもらい、スリップ気味ながらダウンを喫しました。
(バランスを崩したところへ側頭部に軽いパンチをもらいダウン)
判定は3-0(97-92、97-92、97-93)で問題なくガンボアの勝利でしたが、全盛期のガンボアなら、この程度の相手なら前半で倒していたと思います。
まず、ライト級の階級があっていませんね。
しかし、Sフェザー級でも以前のパンチ力はないでしょう。パンチの当て勘も悪いし、ディフェンスも今一つ。なにか攻防がちぐはぐで、集中力を欠いているような感じがしました。
また、スピードを意識しすぎて、打ち急ぎしているように見えました。それと、バランスも悪いですね。とにかく、全くいいとこなしです。
今日のガンボアはあの強いガンボアとは別人でした。これではもう、世界の第一線に戻ってくることはないでしょう。残念ですが、終わりましたね。
内山高志、こいつはねらい目ですよ。再起するなら、この過去の栄光だけのガンボアをぜひ選んでください。