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デビッド・レミュー(カナダ)VSカーティス・スティーブンス(アメリカ)
WBC米大陸・WBOインターコンチネンタルミドル級タイトルマッチ(2017年3月11日)
(出典:WOWOW)
WBC米大陸はなんとなくわかりますが、WBOインターコンチネンタルは意味不明ですね。とりあえずこのタイトルを取れば、WBOのランキングが上がるんだろうなぁ、ということだけは分かります。
むしろ、この対戦はミドル級での世界戦線に生き残るための、サバイバルマッチという方が分かりやすいでしょうね。
2人ともゲンナディ・ゴロフキンにTKO負けしています。
それでも、レミューはWBC4位、WBA5位、IBF7位、WBO4位と、まだまだ十分世界を狙える位置にいます。
同じことがスティーブンスにも言えます。
こちらもWBC3位、IBF6位と負けてはいません。
レミューは39戦36勝32KO3敗、28歳の好戦的なファイターで、ゴロフキンに負けても人気は全く衰えていません。
レミューは村田諒太と対戦するアッサン・エンダムを4度倒し、判定勝ちしています。(2015年6月)
話は逸れますが、エンダムは以前ハッサム・ヌダム・ヌジカムという名前でしたが、経緯は不明ですが、アッサン・エンダムと名称(?)が変わったようです。
スティーブンスは34戦29勝21KO5敗、32歳。レミューに勝てば十分世界再挑戦のチャンスが巡ってくるでしょう。しかし、この髭の量は反則じゃないですか。
相変わらず思い切りのいいボクシングをするレミュー
レミューのボクシングは気持ちがいいですね。好戦的でガードの上からでも、バンバン打ち込みます。
この日はしかもスピードがあって、動きがいい。
はやくも右オーバーハンドをヒットさせ、スティーブンスにダメージを与えました。
(レミューは右も左もパンチ力があります)
そこから、ロープに詰めて連打。全く判定を考えていない思い切りのいいボクシングです。不甲斐ないユリオルキス・ガンボアの後だけに余計にホントに気持ちがいいです。
レミューこそプロのボクサー
レミューは本当に見せるボクシングをしますね~。
2ランドにはもうエンジン全開です。クロスレンジで、サウンドバッグをたたくようにパンチを繰り出します。
スティーブンスはレミューの右に合わせて左のカウンターを狙ってきます。
かなり、危ないパンチをもらいながらも、全く意に介さず、ガンガン攻めます。チキンハートのダニー・ガルシアとは大違いです。
判定なんかまったく考えていないですね。こんなペースでは12ラウンド持ちませんよ。
しかもこの日は上下の打ち分けが上手い。
ホント、見ていて気持ちがいいですね。
左一発でスティーブンスが失神
スティーブンスも前に出て、なんとかペースを取り返そうと頑張りますが、距離を詰めるとレミューのパンチが先に飛んできます。
左のカウンター以外、ほとんどパンチが出ず、手数が減っていきます。
八方ふさがりのスティーブンがロープに詰まったところへ、レミューの右ストレートから左フックの返しがヒットしました。
スティーブンスも左を合わせ、むしろ先にヒットしているにも関わらず、パンチの勢いが全く違いました。
スティーブンスはこの左の返し一発で失神するようにダウン。
私が見た、今年一番の強烈なパンチでした。
(右ストレートから左の返し。しかし、スティーブンスの左フックがカウンターで先にヒットしています。ただパンチの威力の差が全く違いました)
(この一発でスティーブンスは完全に失神。しばらく立てませんでした)
勝ったレミューは5月6日に、サウル・アルバレスvsフリオ・セサール・チャベスの前座でマルコス・レイジェスと対戦する予定です。
私の予想では、メインの試合より、はるかに面白いボクシングを見せてくれるような気がします。
村田諒太が世界を獲得したら、このレミューは厄介な存在になるでしょうね。