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デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)VSジェラルド・ワシントン(アメリカ)
WBC世界ヘビー級タイトルマッチ(2017年2月25日)
(出典:WOWOW)
番組の冒頭で「今夜はこの2試合を中心にお送りします」と紹介されると、がっかりします。
「あ~今日は判定か」
しかし、27年目の初回の放送は3試合。どれもすべてKO決着でした。
誰が何と言おうと、やっぱりボクシングの醍醐味はKOですよ。
でも、今私が一番好きなボクサーは、なんとワシル・ロマチェンコなんです。この人のスキルは異次元のスピードがあります。あのテクニックはダウンシーンを凌駕する魅力があります。
さて、最後のKO決着には、ワイルダーが登場しました。
クリス・アレオーラ戦で痛めた右の状態はどうでしょうか。7か月ぶりのリングです。
37戦全勝36KO、31歳。身長なんと201㎝。
対するワシントンも無敗です。しかも身長198㎝とワイルダーに全く引けと取らない立派な体格をしています。
19戦18勝12KO1分け、34歳。WBC8位にランクしています。
不安いっぱいの立ち上がり
前に出てプレッシャーをかけたのは、ワシントンでした。
ワイルダーは完全に様子見。ワシントンをかなり警戒しています。
左ジャブも少なく、不安いっぱいの右は全く出しません。
3ラウンドまでは、積極的なワシントンがラウンドを支配していたと思います。
ワイルダーは動きもあまりよくなく、ワシントンの左ジャブをもらうシーンも見られました。
パワーのあるワシントンは、臆することなく前に出てパンチを放ってきます。
(ワシントンの左ジャブが先にクリーンヒット)
ワイルダーの右で形勢逆転
ペースを取り戻したのはやはりワイルダーの右でした。
4ラウンドに、クリーンヒットはしませんでしたが、ワイルダーがまさにワイルドな右を放つと、ワシントンは下がり始め、手数も減って完全に形勢が逆転した感じです。
やはりワイルダーの右は強烈なんでしょうね。
ペースを握ったワイルダーが、5ラウンドに入ると左ジャブをついてプレッシャーをかけます。ワシントンも右カウンターを狙って抗戦します。
しかし、ワイルダーが左ジャブから、コンパクトな右ストレートでワシントンの顎をとらえると、たまらずダウン。やはりパンチ力が違いますね。
(いつもの大振りのパンチではなく、コンパクトな右ストレートを打ち込みます)
立ち上がってきたワシントンに、ワイルダーがいつもの猛攻を見せ、右も思い切り放ってワシントンをロープに詰めると、レフリーが一度割って入ろうとしましたが、なぜか躊躇し、さらにワイルダーが攻勢をかけたところで、ようやくレフリーがワイルダーの攻撃をストップしました。
(巨漢の二人をストップするのは、レフリーも大変です)
さて、ワイルダーの右はどうでしょうね。まだまだ全盛期に比べると、8分ぐらいの強さでしょうか。特に最初にダウンを奪ったパンチは実にコンパクトでした。
序盤のもたつきを見ると、まだ完全復活とは言えませんが、巨漢のワシントンを倒したことは大きな成果だったと思います。
4月29日にいよいよ、アンソニー・ジョシュアVSウラジミール・クリチコの世界戦がありますね。クリチコが打ち合いに応じれば、ジョシュアが序盤にあっさり倒してしまうかもしれません。