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尾川堅一VS松下拳斗
日本Sフェザー級タイトルマッチ(2016年9月10日)
(出典:日テレG+)
尾川は19戦18勝15KO1敗、28歳。これが2度目の防衛戦です。WBC12位、IBF8位、WBO13位。
松下拳斗はなんとこの試合が51戦目の大ベテランです。玉越強平からリングネームを松下拳斗に変更しています。
50戦34勝13KO9敗7分け。日本1位です。
ゴングが鳴ると同時に尾川がいきなりトップギアで襲いかかりました。しかし、ベテランの松下は冷静に対処し、速い左ジャブで対抗します。逆に、尾川は右を狙いすぎ、手数が減ります。
2ラウンドは尾川が前に出てボディへパンチを集めますが、松下は下がりながら、左ジャブでこれをうまくさばいていました。
3ラウンドからは松下が左ジャブで試合をコントロール。尾川は力みすぎて強引に打って出たところを、松下の軽いパンチがヒットします。
左ジャブの差し合いでは松下に軍配。
ジャブの少ない尾川はなかなか距離がつかめず、力んで打つ右ストレートは空転。打ち終わりを松下のパンチがヒットします。
7ラウンドに入って、ようやく力みのとれた尾川が、いつもの速い左ジャブで松下の顔面をとらえるようになりました。
距離もあってきて、「右ストレートのタイミングがあってきましたよ。」と解説の飯田覚士さん。
8ラウンドの尾川の右ストレートで、松下の動きが止まりました。
しかし、今日の尾川は攻めが雑です。松下は明らかにダメージを残していて、パンチに力がなくなってきているのに、仕留めることが出来ません。
そして、問題の最終ラウンド。
クリンチになった両者をレフリーが割って入って、ブレイクしたにもかかわらず、尾川がパンチをヒット。無防備にもらった松下はかなりダメージを受けました。
(レフリーのストップにも関わらず、尾川が無防備の松下にお左フックを打ち込みます)
レフリーが休憩をとらせましたが、明らかにダメージは残っています。尾川に減点はありません。
そして、再開。残り10秒。
残り5秒で尾川の右フックが決まり、松下がダウンしました。立ってきましたがなぜかレフリーがストップ。
3分4秒、尾川のTKO勝ちとなりましたが、私はカウント8で試合終了、判定決着が妥当だと思います。
こんな終了間際でストップする意味が分かりません。
(試合再開後すぐ、尾川の左フックがヒットし松下がダウン)
松下は「玉越」時代に金子大樹に挑戦し、KOで完敗しています。
当時はしかも世界ランカーでした。
この日の尾川の試合ぶりは、その金子に比べるとかなり見劣りします。これで世界は厳しいですね。こんな出来の悪い尾川は初めて見ました。
是非、金子と対戦して、どっちが世界へ行くか、決着してほしいですね。
五十嵐俊幸VSデヌア・シスオー(タイ)
114P(Sフライ級)契約8回戦
(出典:日テレG+)
五十嵐は26戦22勝11KO2敗2分け、32歳のサウスポーです。
WBC9位、WBA5位、IBF10位、WBO5位。WBCだけフライ、あとの3団体はいずれもSフライです。
デヌアは15戦10勝2KO4敗1分け、19歳。3連勝中で、観光ボクサー(日本の観光がてら、ついでにボクシングをしに来てる)にしてはそこそこの戦績ですね。
初回から五十嵐の動きはスムーズで、パンチにもスピードがあり、実力差は歴然としていました。
そして、右ボディから左ストレートをタイミングよく決め、ダウンを奪いました。
(タイミングも距離もばっちり)
圧巻だったのは2ラウンド。踏み込んで打った左ストレートはパワーを感じました。
なんと、これが五十嵐にとっては3年ぶりのKO勝利となります。
(珍しく踏み込んで打った左ストレートは威力抜群)
相手の実力に不満は残るものの、実に鮮やかなKOでした。
「フライ級でもSフライ級でも、どちらでもいいから世界を狙う」ということですが、このクラスのチャンピオンは強豪ぞろいです。
WBCのロマゴンの王座はどうなるのでしょうね。フライ級を返上するのであれば、五十嵐にチャンスが巡ってくるかもしれません。