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アンドレ・ウォード(アメリカ)VSアレクサンデル・ブランド(コロンビア)
WBOインターナショナルLヘビー級王座決定戦(2016年8月6日)
(出典:WOWOW)
ウォードは29戦全勝15KO、32歳。右のボクサーファイターです。
ブランドに勝てば11月19日に、セルゲイ・コバレフ(ロシア)の世界Lヘビータイトルに挑戦することが決まっています。
ブランドはこの階級では珍しいコロンビアの選手です。
26戦25勝19KO1敗、39歳。同じく右のボクサーファイターです。なんと、アマチュアで400戦以上の戦績を残しています。
相変わらず慎重なスタートのウォード
ブランドがかなり変則なボクサだったこともあるのでしょうが、ウォードは決して無理をしませんね。いつも以上に慎重なスタートを切りました。
前に出てプレッシャーをかけ、左ジャブでブランドをコントロールしますが、ブランドもウォードの打ち終わりを狙って結構パンチを振るってくるので、不用意な追撃は決してしません。
それにしても、ブランドはなかなか面白い、意外性のあるボクサーです。微妙にウォードのパンチを殺す技術は「アマチュア400戦の戦績も伊達ではない」と思わせます。
さすがにウォードは序盤、この曲者を持て余し、戦い難そうでしたね。
(コバレフが余裕の笑みを浮かべて観戦)
サウスポーにチェンジして切り崩す
5回からプレッシャーを強めたウォードは、右ボディで怯んだブランドに対し、サウスポーにチェンジして、左ストレートを効果的にヒットします。
ただ、「右手を痛めたかな?」と思ったほど、急に右を打たなくなりました。
ところが7ラウンドにまた右にスイッチすると、強烈な右ストレートを決めました。ウォードもしたたかですね。
8ラウンドからは一方的
グランドは3ラウンドに放ったアッパー以外に目立ったヒットがなく、8ラウンドあたりからもうウォードのやりたい放題。
もう、いつ倒してもおかしくないほど一方的な展開になってきました。
ウォードの右ストレートは何発もヒットしましたが、グランドに深刻なダメージを与えることが出来ません。
始めはナックルパートがきれいに当たっていないのではないかな?と思っていましたが、違いました。
綺麗にヒットしています。ところがフォロースルーが中途半端なんです。完全に打ち抜いていません。空手の寸止めみたいにフォロースルーの途中で止めて、すぐにガードの位置に戻します。手堅いボクシングですね~
そんなわけで、120-108の大差でウォードが勝利を手にしました。
さて、いよいよ11月19日にコバレフと対決です。
私はウォードが判定で勝つと思います。
相手のパンチに対しての反応は速いし、接近した時の右フックは芸術的ですらあります。ウォードが倒すとしたらこのパンチですね。
とにかく、決して無理をしないウォードが、コバレフのパンチを被弾してグロッキーになる姿が想像できません。
だだし、予想はウォードですが、希望はコバレフのKO勝ちです。
心配なのは、直近の試合(チレンバ戦)の出来が悪かったことです。
VSアイザック・チレンバ ↓