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ファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)VSラウシー・ウォーレン(アメリカ)
WBA世界バンタム級タイトルマッチ(2016年6月18日)
(出典:WOWOW)
パヤノはWBAのスーパーチャンピオンです。2014年にアンセルモ・モレノに負傷判定で勝って手に入れたタイトルです。
17戦全勝8KO、32歳のサウスポーです。
ウォーレンは15戦13勝4KO1敗1NC、29歳のサウスポーです。
WBAのランクは12位ですが、昨年8月にパヤノのタイトルに挑み、2-1のきわどい判定で敗れたため、ダイレクトリマッチとなりました。
すべてのラウンドがドロー
20年前なら12ラウンドすべてが10-10で、ドロー防衛となっていたでしょうね。
パヤノは前に出て積極的に手を出すものの、クリーンヒットが極めて少なく、パンチも手打ちでパワーが感じられません。
ウォーレンは派手なカウンターをヒットしてきますが、ほとんどのパンチが見た目ほど芯をとらえておらず、これでは相手にダメージを与えることはできないでしょうね。
しかし、ディフェンスの勘がよく、パヤノのパンチをまともにもらうことはほとんどありません。
大きくくくれば、モレノ、パヤノ、ウォーレンのボクシングはほぼ同じグループに属します。
スピードはあるがパンチ力がなく、相手の力を殺し、ディフェンス技術に長けていて負けないボクシングをする、と言えるでしょう。私の最も嫌いなグループです。
緊迫感もなく目を見張るテクニックもなく
始まってすぐに「これは判定決着やな」と思いました。
互いスピードはあります。おそらくパンチの打ち方がおかしいのでしょう。相手のディフェンス技術が高いのもあるでしょうが、とにかくクリーンヒットが全くありません。
しいて言えば、ウォーレンの方が多少、クリーンヒットが多かったでしょうが、相手にダメージを与えるほどのヒットは1発もありませんでした。もちろん、パヤノにも。
とにかく前に出てしつこくパンチを繰り出すだけのパヤノに、見るべきものは全くありません。
時々ラッシュして派手なパンチを振るうウォーレンも、見た目ほど効果はなさそうで、すぐにスタミナ切れを起こします。
こんな試合は途中でストップして、ノーコンテストにしてもいいと思います。
懸命に振り分け採点を試みましたが、116-116が精いっぱいでした。
公式ジャッジは2-0(114ー114、115-113、115-113)でウォーレンがタイトルを奪取しました。
こんな選手がスーパーチャンピオンですか。
ところで、ボクシングマガジンのWBAのバンタム級ランキング表を見ますと、4位に亀田和毅がいるんですが、これからどうするんでしょうね。ジェイミー・マグドーネルに連敗してから1年近く試合をしていません。
ちなみに、ウォーレンの戦績がパヤノのままになっていますね。