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クリス・ユーバンク・ジュニア(イギリス)VSトム・ドラン(イギリス)
イギリスミドル級タイトルマッチ(2016年6月25日)
(出典:WOWOW)
ユーバンクは23戦22勝17KO1敗、26歳。唯一の1敗は2014年に村田諒太の標的、ビリー・ジョー・サンダースに2-1の判定で敗れたものです。
そしてご存知でしょうが、父親は元世界チャンピオンのクリス・ユーバンクです。
この父親も変な動きをするボクサーでしたね。
トム・ドランは17戦全勝7KO、28歳。
私は、ユーバンク・ジュニアの試合を見るのが初めてなので、「お手並み拝見と行きますか」。
対照的なボクシングスタイル
ガードを高く上げて守りを固めるドランに対して、低いガードから早い左ジャブを放ち、専ら柔らかい上体の動きでパンチをかわすユーバンク。
初回から右アッパー、右ストレートでドランを圧倒します。
ただ、2ラウンドにユーバンクの背中をみると、かなり汗をかいているのが気になりました。ドランはほとんど汗をかいていません。
ユーバンクはいわゆる変則タイプで、無駄な動きがやたらと多く、このペースで動き回ると後半のスタミナに不安を感じました。
パン力の差が勝負を決めた
しかし、3ラウンド。ドランの堅いガードをやぶり、左右フックをヒットし、ロープに詰めて右アッパーを2発ヒットさせダウンを奪いました。
(2発目のアッパーはかすった感じでしたが)
ユーバンクは、ダメージの残るドランに対して、4ラウンドはさらにオーバーアクションで攻め立てます。
連打で1回目のダウン。
そして右アッパーで2度のダウンを追加すると、レフリーが試合をストップしました。
(ガードの堅いドランにはこの右アッパーが効果的でした)
(4度もダウンしたら止められても仕方がありませんね)
ドランも後半まで持ちこたえれば、ユーバンクのスタミナ切れで逆転のチャンスがあったかもしれませんが、いかんせん、パンチ力が違いすぎました。
3ラウンドのアッパーは見た目以上にダメージを与えたようです。
しかし、この無駄な動きの多いユーバンクのボクシングが、世界のトップボクサーに通用するかは大いに疑問です。
WBCでもWBAでも2位にランクしていますが、チャンピオンにゲンナディ・ゴロフキンが君臨している間は、チャンスはないでしょうね。
ところで村田の標的、サンダースもサウル・アルバレスが一枚かんできそうで、なかなかすんなりと世界挑戦というわけにはいかないようですね。
恐らくユーバンクも同国人のサンダースに雪辱したいでしょうし、イギリスで実現すれば、何万人もの大観衆が集まることでしょう。
弱いサンダースの取り合いです。