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アーデン・ディアレ(フィリピン)VS比嘉大吾
東洋太平洋フライ級タイトルマッチ(2016年7月2日)
(出典:日テレG+)
アーデン・ディアレは2年前に江藤光喜とダウンの応酬の末KO負けしていますが、その後8連勝して、いまだに世界ランクに名前がある強豪です。
43戦31勝15KO9敗3分け、IBFフライ級7位、WBOフライ級6位にランクされています。
比嘉大吾は、私が今一押しの世界チャンピオン候補です。具志堅用高さんと浜田剛史さんを足して二で割ったような選手と具志堅さんは言いますが、私は以前から、パンチ力のあるファイティング原田さんと評しています。
ともかく、この試合は比嘉の真価を問う試合であることは間違いありません。
なにせ戦績が9戦9勝9KOのパーフェクトレコード。これは決してタイの観光ボクサーを相手に、無理やり作られたものではありません。記録つくりに精を出す別府優樹とは違います。
スピードで比嘉が圧倒
初回からスピードは比嘉が圧倒していました。
しかしディアレもさすが世界ランカー。手数は少ないものの、ディフェンスの勘はさすがと思わせるものがあります。
しかし、2ラウンドからは比嘉のパワーとプレッシャーがディアレを圧倒します。
そして、比嘉がラッシュして右ボディブローをヒットすると、たまらずディアレがダウン。
(右ボディが決まり、ディアレがたまらずダウン)
「これで決まった!」と思った比嘉はコーナーに上って勝利をアピールしますが、なんとディアレは立ってきました。ゴングは2ラウンドの終了を告げたにすぎませんでした。
さすが具志堅さんの秘蔵っ子だけありますね。
(テンカウントと勘違いして勝利をアピール。)
レベルが違う!
仕切り直しの3ラウンドも比嘉のプレッシャーがディアレを圧倒します。
今度は左右フックを顔面にヒットし、とどめの左ストレートでダウンを奪いました。ディアレは少し気持ちが切れたように見えましたが、立ってきました。
(今度は左ストレートでダウン。これで決まったと思いましたね)
「いや~気持ちいいですね」
世界ランカーをものともせず、圧倒的な力の差を見せる比嘉は本当にファンを裏切りません。
対するチャンピオンも、さすがに気持ちが切れないでここまで何とか持ちこたえましたが、4ラウンドの比嘉の猛攻についにギブアップしました。
(最後の左ボディブローが効きました。さすがにもう立てない)
4ラウンド、2分39秒、比嘉のTKO勝ちです。
これでなんと10戦10勝10KO。こんなパーフェクトレコード、日本人で聞いたことがありません。しかも確実に世界ランクをものにしています。
ひょっとしたら調子の落ちているローマン・ゴンザレスに勝てかもしれませんね。
井岡一翔、とんでもないボクサーが台頭してきましたよ。
ボクシングファンを代表して言いましよう。
「井岡!逃げるなよ。」
今年の年末は楽しみですね。二人はかみ合いますよ。間違いなく年間最高試合です。